展示・ポスター

一般企業展示

神戸HPCクラスター/FOCUS

・神戸市

スーパーコンピュータ「京」、FOCUS スパコンの産業利用推進活動をサポート。
神戸医療産業都市内に HPC クラスターを形成中。

・(公財)計算科学振興財団(FOCUS)

スーパーコンピュータの産業利用促進・技術コンサルテーションとともに、産業利用専用「FOCUS スパコン」を企業向けに提供

事業内容

  • (1) FOCUS スパコンの提供
  • (2) シミュレーション技術者育成のための講習会等の開催
  • (3) シミュレーション技術・スパコン利用の普及啓発

神戸HPCクラスター/FOCUS 公式サイト

神戸HPCクラスター/FOCUS

学生ポスター

01 PA6における加水分解が引張挙動に及ぼす影響

東京理科大学 基礎工学部 小柳研究室   笠原 奨平 様

自動車などにPA6を使用する際に、長期耐久性の評価が必要になる。そこで、劣化の原因の一つである加水分解についてMDシミュレーションでアプローチした。目的はPA6における加水分解が引張挙動に及ぼす影響を評価することである。モデリング及び、シミュレーションにはJSOLさんのJ-OCTAを使用した。PA6の加水分解を行い、その割合は0、0.37、0.74の3種類とした。3種類の系において、一軸伸張を行い、応力ひずみ曲線から弾性率と引張強さを求め、比較した。

02 FMO-DPDを連携したナノ-メゾ双方向解析手法の開発

立教大学 理学部 望月研究室     奥脇弘次 様

近年、高度な材料開発のために、計算科学・シミュレーションを用いた物性予測の重要性が高まっている。そこで我々の研究グループでは、フラグメント分子軌道法(FMO)による相互作用計算から有効相互作用を評価し、精度の高い粗視化シミュレーション(DPD)を行う手法を開発してきた。本発表では高分子電解質膜や生体膜での応用計算のほか、タンパク質の構造再現のシミュレーションの試み、更にDPDの逆射影結果のFMOによる詳細解析について報告する。

03 炭素繊維/樹脂間の界面力学特性に関する 分子動力学シミュレーション

東京理科大学 大学院 基礎工学研究科 材料工学専攻 小柳研究室     山本倫大 様

ビニルエステル、エポキシ、TriAX-ポリイミドの3種類の樹脂とグラフェンで複合材を作製し、分子動力学シミュレーションを行った。グラフェン層に垂直または平行にポリマーを配置しNPT、NVTアンサンブルで圧縮後緩和を行った。ビニルエステル、エポキシ、TriAX-ポリイミドの順にグラフェン近傍での樹脂密度が大きくなり、この順に界面強度が高いと予測された。TriAX-ポリイミドについては4量体、7量体で樹脂密度を比較したが大きい変化は見られなかった。接着仕事を計算したところ、ビニルエステル、エポキシ、TriAX-ポリイミドの順に大きくなり、TriAX-ポリイミドについては4量体、7量体で接着仕事に差は無かった。

04 光解離性保護基導入ポリ乳酸において弾性率低下を抑制し得る最適分子構造の探索

金沢工業大学 工学部 機械工学科     田中基嗣 様

発表者らは、PLAのカルボキシル基末端に分子キャップとして光解離性保護基である o-nitrobenzyl alcohol を導入することで加水分解に対するカルボキシル基の自己触媒作用を抑制し、廃棄時には紫外線を照射して保護基を脱保護することでカルボキシル基の自己触媒作用を促進させる手法を提案してきた。本研究では、末端カルボキシル基に o-nitrobenzyl alcohol を分子キャップした加水分解制御型PLAにおける弾性率低下を抑制し得る o-nitrobenzyl alcohol 媒介長鎖化PLAの最適分子構造の設計指針を得ることを目指した。まず、PLAがo-nitrobenzyl alcoholを介して長鎖化することが可能かどうか確認するために、MO計算をおこなった。これにより生成可能と判定された長鎖化PLA分子構造に対してMDによる一軸引張変形シミュレーションをおこなった。その結果、o-nitrobenzyl alcohol 導入による長鎖化時の分子構造の折れ曲がりによってPLAの弾性率が低下することが示唆された。

05 高分子膜における透水メカニズムを応用した高分子の合成戦略 〜散逸動

近畿大学 大学院 総合理工学研究科 分子シミュレーション工学研究室     荒木雄介 様

高分子膜における透水性メカニズムの解明は、水の選択的透過性の観点から逆浸透膜・正浸透膜の開発につながり、透水の遮断性の観点からも次世代ディスプレイや太陽電池などの開発に繋がるなど、工学的技術に大きく貢献する。また水以外の透過メカニズムにおいても普遍性が確かめられれば、海水淡水化、温室効果ガスの選択的分離などに多大なる貢献が期待され、その結果、水資源枯渇問題や環境問題などの地球規模での問題解決につながる重要な鍵となり得る。これまで高分子膜への透過性に関する研究は、実験・シミュレーションともに多くの知見が積み重ねられてきた。しかし最近まで、高分子膜に対する透水性を自在に制御できるような決定的なメカニズムは不明であった。我々は分子シミュレーションを用いることで、高分子膜における透水性を減少させるメカニズムの解明に挑戦した。その結果、溶媒に高分子膜と強く反発する添加物を導入することで、水分子の高分子膜への侵入が阻害されることを明らかにした。添加物を導入することにより、高分子膜表面で水分子が構造化し、水分子が拡散しにくくなることで透水性が減少することが明らかになった。ここでは、さらにこのメカニズムを応用し、より透水性を減少させる高分子の合成戦略を議論する。

06 エポキシ樹脂の粘弾性特性評価

東京理科大学 基礎工学部 小柳研究室     黒永実李 様

金属よりも軽い熱硬化性樹脂は、耐熱性・機械的強度特性に優れているため近年、開発が進んでいる。熱硬化性樹脂の物性の内、粘弾性はほかの力学物性と比較し化学構造の違いによって変化しやすい物性の一つである。そのため、高分子材料を取り扱う研究において粘弾性挙動を評価する技術が求められる。そこで、エポキシ樹脂に不純物を加えることで樹脂の粘弾性がどのように変化するのか分子動力学シミュレーションを行うことで評価した。

07 物性測定と非経験的粗視化シミュレーションによる脂質膜構成メカニズムの解明

星薬科大学 大学院     新庄永治 様

【背景・目的】
ドラッグ・デリバリー・システムにおけるナノ微粒子設計の効率化のために、分子シミュレーションによる物性予測や原子レベルでのメカニズム解明が望まれている。本研究では、散逸粒子動力学 (DPD) [1]シミュレーションによって、小角X線散乱(SAXS)および透過型電子顕微鏡(Cryo-TEM)の実験結果を再現し、シミュレーション結果の可視化により詳細な脂質膜微細構造の解明を目的とした。

【方法】
モデル脂質としてリン脂質のDPPC及びDOPC、正電荷脂質のDOTAPを用いた。また、薄膜法により組成比がDOTAP/(DPPC+DOTAP) (%) = 0 から100%となるようにベシクルを調製した。DPD シミュレーションに用いる相互作用パラメータは、フラグメント分子軌道(FMO)法 [2-4]を用いて高精度に算定した(FMO-DPD 法)。

【結果】
最初にFMO-DPDシミュレーションによって脂質単成分の膜面積を算出したところ、DPPCでは67.8 Å2、DOPCでは69.5 Å2であり、文献値 [5, 6]から得られた実験値と同様の傾向であった。次にCryo-TEM及びSAXSによるベシクル形状の評価を行った。 Cryo-TEMの結果からDPPCのベシクルは球状、DOTAPのベシクルは扁平球状であることが分かった。また、SAXS測定より、混合脂質組成中のDOTAPの比率が増加するにつれて、ベシクルの形状は球状から扁平球状に変化しており、FMO-DPDシミュレーションでも同様の傾向を示した。また、ベシクル中の親水基頭部間の距離をSAXSによって評価した。組成比 DOTAP/(DPPC+DPPC) = 50% のベシクルでは親水基頭部間距離由来のピークが単峰ではなく、DOTAP由来のピークとDPPC由来のピーク、二峰性のピークに分かれており、ベシクル中ではDOTAPとDPPC分子が相分離していることが示唆された。次に混合二重膜及びベシクルのシミュレーション結果の可視化を行ったところ、それぞれの分子種はクラスターを形成していた。さらに、脂質二重膜の表面形状の評価をした結果、DPPCの単成分の二重膜では表面の高さが揃っていたのに対して、DOTAP/(DPPC+DOTAP) = 50% では二重膜の中心に対して外側にDPPC分子、内側にDOTAP分子が配列していることが分かった。以上のようにFMO-DPD法によるベシクル形成シミュレーションによって、実験結果を定性的に再現しつつ、シミュレーション結果を可視化することでベシクルの詳細な構造解析が可能となった [7]。

【謝辞】
本研究の遂行にあたり、御協力を頂きました千葉大学大学院薬学研究院 製剤工学研究室 森部久仁一教授、東顕二郎准教授、また J-OCTA ライセンスを貸与いただいた、株式会社JSOL に感謝申し上げます。本研究は、ポスト「京」プロジェクト重点課題6から支援を受けました。

【参考文献】
[1] R.D. Groot and P.B. Wa rren, J. Chem. Phys. 107, 4423. [2] K. Okuwaki, et al., J. Phys.Chem. B, 122, 2018, 338-347. [3] H. Doi, et al., Chem. Phys. Le tt., 684, 2017, 427-432. [4] K. Okuwaki et al., J. Comp. Chem. J pn., 17, 2018, 102-109. [5] N. Kučerka et al., Biophys.Acta-Biomembr. 1808, 2011, 2761–2771. [6] H. I. Petra che et al, Biophysical. J. 86, 2004, 1574-1586. [7] E. Shinsho e t al., J. Comp. Chem. Jpn., in press.

08 散逸粒子動力学法を用いた閉じ込め系における液晶分子の配向制御

近畿大学 理工学部 分子シミュレーション工学研究室     辻之上弘晃 様

近年、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶とは、屈折率が変化するナノ構造である。ナノ構造を変化させることによって、光の透過制御を行うことができる。しかし、フォトニック結晶の実用化には未だ至っていない。将来的には、ステルス技術の実現や電気回路の発熱・エネルギー消費を低減する光ネットワーク技術への応用が期待されている。フォトニック結晶の一つとして、液晶液滴が考えられている。液晶液滴とは、ナノスケールの液滴内に液晶分子が閉じ込められて構造で、液晶の配向によって光の透過性を制御できることから、光学デバイスとしての応用が検討されている。これまで、望みの熱力学的条件(温度、圧力など)で液晶相を発現するようなデバイスを得るためには、新しく液晶分子を合成する必要があった。しかし近年、液滴表面を界面活性剤で覆うことで液晶分子の配向を制御できるという結果が報告された。そこで本研究では、ナノ液滴に界面活性剤分子を加えた系において、界面活性剤分子の粒子数を変化させることで、液晶分子の配向度にどのような影響を与えるかについて検討を行った。本研究では液晶液滴の分子配向及び、界面活性剤の自己集合構造を分子レベルで観察するため分子シミュレーションの一つである散逸粒子動力学(DPD)法を用いた。分子レベルのシミュレーションを行うことで、ナノ液滴界面での界面活性剤の自己集合が、液晶分子の廃校にどのような影響を与えるかについて詳細な検討を行った。結果として、冷却過程での液晶分子の配向度の変化が観察された。温度を下げることで、液晶分子の配向度が高くなることがわかった。また、液晶分子の内部構造が界面活性剤分子の粒子数に依存することがわかった。すなわち、界面活性剤分子の粒子数によって、液晶分子の内部構造を制御できるという結果が得られた。これによって、界面活性剤分子の粒子数を変化させることで、求める物性を持つ液晶分子を簡単に得ることができる。本研究の結果は、液晶分子を用いた工学技術のさらなる発展の基礎的な知見として役立つと考えられる。

09 散逸粒子動力学法を用いたナノチューブ内における界面活性剤水溶液の管内流れ下の振る舞い
~壁面の化学的性質による自己集合・粘性挙動の違い~

近畿大学 総合理工学研究科 分子シミュレーション工学研究室     小林祐生 様

過去数十年にわたり、界面活性剤の自己集合は、増粘剤、洗剤、乳化剤、薬物輸送キャリアなどの様々な機能材料を開発するために多くの研究が報告されている。その理由は、界面活性剤の自己集合がレオロジー特性(例えば、粘度および弾性/損失弾性率)を制御するための重要な役割を果たすためである。界面活性剤水溶液における界面活性剤分子は界面活性剤の濃度、界面活性剤の分子構造、溶媒の種類、および温度に依存して、様々なミセル形態を自発的に生じ得る。一方で、ナノ空間に閉じ込められた流体は空間的な拘束力によって、バルクでは観察されない新しい結晶構造や臨界点が得られることが報告されている。また、固体壁近傍の液体も表面の構造や疎水性に依存して、バルクと異なる性質を示すことが知られており、非常に興味深い。そこで、本研究では粗視化分子シミュレーションを用いて、ナノチューブ内における界面活性剤水溶液の自己集合構造を明らかにすることを目的とした。さらに疎水/親水/中性の3種類のナノチューブ壁の種類 を用意し、それぞれのナノチューブ内における界面活性剤水溶液に対し、管内流れを与え、自己集合構造 と粘度の関係を調べた。

JSOLプロダクト展示

Digimat

材料特性予測ツール Digimat

Digimatは、複合材料のミクロ構造を反映した材料特性を予測するためのソフトウェアです。等価介在物理論をもとに、複合材料の非線形材料特性の予測を高速・高精度で行います。材料の組み合わせやミクロ構造による材料特性の変化を瞬時に計算するだけでなく、有限要素ソルバーの材料モデルとして用いることで、より高精度な製品の構造解析が可能になります。複合材料製品の材料設計、製品設計に関わる全ての方におすすめしているソフトウェアです。

製品情報

Simpleware Software

3次元画像データ変換ツール Simpleware Software

樹脂やゴムなどに代表される高分子材料や、GFRP、CFRPなどの複合材料の内部構造を「仮定する」ではなく「現物から知る」ニーズが高まっています。CADで設計できないこうしたミクロな材料構造を、X線CTや電子顕微鏡から得られる測定画像データを用いてモデル化し、様々な内部構造統計分析を行うだけでなく、高品質なFEMデータやSTL、IGESなどのサーフェースデータに出力できるSimplewareソフトウェアをご提案します。

製品情報

J-OCTAユーザー会議 2018
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