
CAE Technical Library 注目機能紹介 - CAE技術情報ライブラリ
私たちの生活のオンライン化を支える通信電波。皆様はご自分の周りを飛び交っている電波を「見てみたい」と思ったことはありませんか?もちろん、従来の電界プローブでも電界の振幅は測れますが、電波が波状に伝わっていく様子を可視化するには、振幅に加えて位相も測る必要があります。しかし、位相を測るには、これまでは放射源と電界プローブを同期させる必要がありました。したがって、あたりを飛び交っている電波の可視化は、実はありそうでなかった技術です。この願いをかなえる技術が、Photonic Edge Inc.様が開発した「電波可視化装置」です。
電波を「見る・測る」電波可視化装置
電波可視化装置は自動運転用のミリ波レーダシステムや、5Gおよびビヨンド5G/6Gの無線通信技術の開発に革新を起こす可能性を秘めています。というのも、5G や自動運転では、非理想的な実環境下で、複雑な位相制御によるビームフォーミングが必要になります。この「電波可視化装置」は、放射源から完全に独立した計測器であり、放射源とプローブの同期は不要です(図1)。路上で自動車から発せられたビームを観測できる日も、そう遠くないかもしれません。
図 1. 電波可視化装置イメージ図(画像ご提供:Photonic Edge Inc.様)
電波を「予測する」EMCoS Studio
JSOLでは、この装置の有用性を示すために、ホーンアンテナからの電界振幅と位相を電波可視化装置で測り(図2)、その実測データと電磁界シミュレータEMCoS Studioによるシミュレーションを比較しました。
図 2. 電波可視化装置による電界振幅と位相の実測
(画像ご提供:Photonic Edge Inc.様)
図 3. 振幅の実測データと解析結果
図 4. 位相の実測データと解析結果
図3、4に示すとおり、電波の振幅も位相も、実測と解析が良好に一致しています。この実測において、ホーンアンテナとプローブは完全に独立させており、「電波可視化装置」の価値の一端をご理解いただけるかと思います。
この結果はEMCoS Studioの高精度な計算能力も証明しています。実測と良好に一致する解析結果は、複雑なビームフォーミングもパソコン上でシミュレーション可能であることを示すもので、アンテナの設計者の方々にご活用いただける技術です。たとえば、各アンテナ素子に供給される電圧の位相に対して、どの方向にどれだけの強さのビームが飛んでいくかを、形状データのみで事前検討していただけます。この新技術にご関心をお持ちの方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
実測データご提供:Photonic Edge Inc.