モータ駆動システムの伝導・放射ノイズ解析ソリューション
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- Hybrid
- 解析対象
- 自動車 / 電力系統部品 / ケーブル・電線
伝導から放射まで モータ駆動システムの電磁ノイズを推定
電気自動車やロボットの普及により、複雑なスイッチング制御をともなう高出力モータの利用が増え、電磁ノイズが問題となるケースが増えています。実際、対策に苦労されている方も多いのではないでしょうか。
数値シミュレーションはノイズの予測・対策にたいへん有効な手段ですが、複雑なモータ駆動システムを対象とする場合、異なる数値計算手法をうまく連携させる必要があります。
EMCoS Studio では、モータ駆動系の計算に求められる一連の計算ソルバーを、1つのソフトウェア上で連携して実行することができます。
解析例: 電気自動車のモータ駆動システムのノイズ解析
解析モデル
ここでは電気自動車の駆動モータの計算例を紹介します。
車体前方のモータ・インバータが、後方の 300[V] バッテリーと床下のケーブルでつながっています。モータを駆動するためにインバータがスイッチング動作した際、発生する伝導ノイズと放射ノイズを計算で推定します。
この計算には車体・電線などの3次元形状モデルと、駆動システムの電気回路モデルの2種類が必要ですが、EMCoS Studio ではこの双方を互いに関連づけたかたちでモデル化できます。
解析モデル(3次元形状)
解析モデル(回路図)
計算結果
左下の計算結果は、モータの3相巻線からフレームへと浮遊容量を介して流出するコモンモード電流(伝導ノイズ)です。鋭いピークが複数現れています。結果を分析すると、各ピークが回路のどの部分の共振によって発生しているかがわかり、ノイズ対策に活かすことができます。
右下の図は、100MHz の共振ピークにおける車体周辺の電界分布です。ラジオのアンテナや精密なセンサーの位置に強電界が発生していないか確認することで、雑音や誤検知などの障害リスクを実測前に評価できます。
モータフレームに流出するコモンモード電流
放射電界分布
計算技術に関して
3種のソルバーの連携で、伝導から放射まで一気通貫の計算を実現
EMCoS Studio は3種のソルバー(下図)を連携させることで、複雑なモータ駆動システムのノイズを解析します。
まず、高速な回路ソルバーによって伝導ノイズを計算します(STEP.2)。
電流分布の結果を3次元モデルに自動でマッピングした後、そこから出る放射ノイズを電磁界解析で求めます(STEP.3)。これにより、計算精度・速度の最適バランスを実現しています。
※STEP.1 については次項参照
3種のソルバーの連携解析イメージ
PEEC法により共振の原因となるモータ・配線の寄生回路を抽出
モータ駆動システムの共振には、モータ構造や基板配線形状などに起因する寄生回路成分(L,C)が大きく影響します。このため、形状に起因する寄生回路成分を事前に推定しておき(上図のSTEP.1)、これを加味したモデルで伝導・放射を計算する必要があります。
EMCoS Studio は高性能なPEEC法ソルバーにより、任意の3次元形状の等価回路抽出を実現します。
モータ・配線の寄生回路抽出(PEEC法)
詳しい資料について
解析技術や各種事例に関して、ご紹介資料を用意しております。下記のURLから、お気軽にご要望ください。このテーマに関する個別のご相談・ご質問も随時お受けいたします。
サービス・ソリューション一覧
- ※EMCoS Studio は、旧 EMC Studio が名称変更された製品です。
- ※EMCoS Studioの開発元は、EM Consulting and Software, EMCoS, Ltd.(本社:ジョージア)です。
- ※記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。