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[解析事例] 携帯電話の落下解析

事例カテゴリ
  • 構造解析
使用モジュール
  • Digimat-MF/MAP/CAE

フィラー形状、質量分率の変更による強度への影響について詳細な分析が可能に

繊維強化樹脂を構造部材に用いた携帯電話の落下解析のご紹介です。

材料はポリカーボネート(PC)で、ガラスのフィラーが含まれています。このガラスフィラーの質量分率、形状を変更することによる影響を観察しました。
解析対象は
(1)球形フィラー(アスペクト比1.0)・質量分率20%(2)球形フィラー・質量分率50%
(3)ファイバー(アスペクト比100)・質量分率20%
としたケースです。

図1.解析モデル 図1.解析モデル

図2.適用材料モデル 図2.適用材料モデル

解析内容

材料特性検討

まず、Digimat-MFによって、それぞれのフィラー使用時の材料特性を予測しています。
3つのグラフは、ひずみ0.1まで伸長させた場合のSSカーブですが、材料全体(マクロ特性)のSSカーブ(図3)、母材であるPCのSSカーブ(図4)、ガラスフィラーのSSカーブ(図5)を示しています。
マクロ特性を見ると、質量分率を増やしたケース、形状をファイバーとしたケース、いずれもヤング率が高くなっていますが、塑性後はファイバーのケースで特に固くなっています。そして、フィラーのSSカーブを見ると、剛性自体に変化はありませんが、ファイバーはひずみ量が非常に大きくなっています。
このことは材料全体の剛性強化に寄与する一方、ファイバーに大きな負担がかかることとなります。

マクロ特性 図3.マクロ特性

PC特性 図4.PC特性

Glassフィラー特性 図5.Glassフィラー特性

落下解析

落下解析の結果を見ると、応力分布にはそれほど違いがありません(図6)が、PCの塑性ひずみはファイバーのケースのみ小さくなっています。次にガラスフィラーの主ひずみを見ると、ファイバーのケースでは一か所に高いひずみが生じており、破断の発生が予測されます(図8右)。しかし、球形のまま質量分率を上げたケースではひずみが分散し、破断が生じませんでした。(図8中央)
このように、フィラーの形状、質量分率を変更することによる強度への影響を詳細に分析することを可能としました。

相当応力分布 図6.相当応力分布(最大変形時)

PCの塑性ひずみ分布 図7.PCの塑性ひずみ分布(最大変形時)

Glassフィラーの主ひずみ分布 図8.Glassフィラーの主ひずみ分布(最大変形時)

事例一覧

材料設計
構造解析
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