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材料解析 第一原理電子状態計算ソフトウェア Siesta

[解析事例] 固体表面への分子の吸着エネルギー

量子化学・DFT
低分子の浸透・拡散・吸着
界面・相分離・劉素分散性
マテリアルサイエンス

目的と手法

固体表面に分子が吸着する際のエネルギー変化(吸着エネルギー)は表面における分子のふるまいを知るうえで最も基本的な指標の1つであり接着現象や濡れ性、粒子分散性に影響します。

本事例では、Au(111)面やαアルミナ表面への分子の吸着エネルギーをSIESTAにより密度汎関数法を用いて計算し、比較しました。

SIESTAでは相互作用エネルギーの計算時に基底関数重なり誤差(Basis Set Superposition Error, BSSE)が含まれるため、表面-分子間の相互作用エネルギーをCounterpoise法で補正したエネルギー(\( \Delta E^{\rm \scriptsize CP}_{\rm surface-mol} \))と、表面、分子の吸着状態と孤立状態のエネルギー差( \( \Delta E_{\rm surface, deform} \)、\( \Delta E_{\rm mol, deform}\) )から吸着エネルギーを求めます。

\( \Delta E^{\rm \scriptsize CP}_{ads} \) = \( \Delta E^{\rm \scriptsize CP}_{\rm surface-mol} \) + \( \Delta E_{\rm surface, deform} \) + \( \Delta E_{\rm mol, deform}\)

図1. SIESTAの吸着エネルギー計算に用いたモデル 図1. SIESTAの吸着エネルギー計算に用いたモデル

解析結果

図2.SIESTAによる吸着エネルギー計算結果と文献値との比較 図2.SIESTAによる吸着エネルギー計算結果と文献値との比較

Au(111)表面では汎関数に分子間力を考慮できるKBMを適用して計算を行い、参照値(実験値)[1]との誤差が0.05 eV以内となり、同等の吸着エネルギーを得ることができました。αアルミナ表面に関しては参考文献[2]の条件に従いPW91を汎関数に適用して計算を行いました。その結果、誤差0.1 eV程度とよく一致した結果を得ることができ、どちらの計算においても精度のよい計算を行うことができました。(図2)

引用
  • [1] Wetterer, S. M.; Lavrich, D. J.; Cummings, T.; Bernasek, S. L.;Scoles, G. J. Phys. Chem. 1998, 102, 9266
  • [2] Ø. Borck and E. Schroder, J. Phys. Condens. Matter, vol. 18, 1-12, 2006.

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