講演プログラム
1日目:2016年11月8日(火)
同時通訳
※講演内容および講演者は変更になる場合がございます。
2日目:2016年11月9日(水)
同時通訳
※講演内容および講演者は変更になる場合がございます。
11月8日(火)13:30-14:00 【1-A-1 自動車衝突セッション 1】
「LS-DYNA衝突解析モデルを用いた主要クラウドベンチマークについて」
日本自動車工業会
電子情報委員会 デジタルエンジニアリング部会 次世代スパコン検証WG CAEクラウド調査タスク
杉浦 規之 様
CAEの計算リソース不足への対応などからクラウドサービスへの期待が高まっている。そこで、CAE用途で使用可能なクラウドサービスを効率的に調査するために、自工会として2014年から調査を開始し、主要なクラウドサービスプロバイダー数社のベンチマークを行った。本発表では、LS-DYNAの衝突解析を中心に自工会で行ったベンチマークの内容と結果を報告する。
11月8日(火)14:05-14:35 【1-A-2 自動車衝突セッション 1】
「超高強度鋼板の破断予測技術」
新日鐵住金株式会社
技術開発本部 鉄鋼研究所 利用技術研究部 主幹研究員
相藤 孝博 様
自動車車体の開発において衝突安全性の向上および軽量化を両立させるため、高強度鋼板の適用が増えている。自動車車体の正確な衝突シミュレーションのためには、高強度鋼板の材料特性を把握した上で、スポット溶接破断および材料破断いずれも高精度に予測することが重要である。そのため、実験および理論に基づき新しい破断予測手法を開発した。部材レベルで破断予測精度を検証したので、その結果を報告する。
11月8日(火)14:40-15:10 【1-A-3 自動車衝突セッション 1】
「樹脂製高性能コーティング材のモデル化と解析事例」
スターライト工業株式会社
新歩推進ユニット CAE解析・分析チーム
林 悠帆 様
弊社で取り扱っている高性能樹脂性コーティング材について、材料モデルの作成から解析事例まで紹介させていただきます。
11月8日(火)15:40-16:10 【1-A-4 自動車衝突セッション 2】
「衝突性能のロバスト設計事例紹介 ―DiffCrashを用いた前面衝突性能のばらつき改善―」
富士重工業株式会社
スバル第一技術本部 CAE部 主査8 主事
繻エ 光政 様
衝突性能の開発において、益々厳しくなる軽量化と衝突安全性向上に際して、衝突性能のロバスト性向上が重要な取り組みと考え、性能向上と併せて進めている。この一環として、今回DiffCrashによる統計的な手法を活用して、前面衝突(フルラップ)における衝突減速度のばらつき低減を目的に検討を行った事例を紹介する。フルラップ衝突において、寄与の大きいフロントフレームの変形モードばらつきに対し、統計的手法を活用したDiffCrashの解析結果を基に、要因を分析、対策を提案することで、衝突減速度のばらつきをイニシャルに対し38%低減することができた。
11月8日(火)16:15-16:45 【1-A-5 自動車衝突セッション 2】
「プレス成形過程を考慮したGISSMOによる部品圧壊時の破断予測解析」
株式会社神戸製鋼所 機械研究所 マルチマテリアル構造・接合研究室 主任研究員 内藤 純也 様
近年、自動車の衝突安全性と車体の軽量化の両立に対する要求の高まりとともにBIWに適用される薄板金属材料の高強度化、薄肉化が進んでおり、車体衝突時における材料破断予測技術の重要性が増している。本報告では、LS-DYNAのダメージモデルのひとつであるGISSMOをプレス成形解析に適用し、プレス成形時のダメージ値、ひずみをマッピングした部品圧壊解析を行い、部品レベルの圧壊実験と破断予測解析結果との比較により、GISSMOの適用性に関する考察を行った。
11月8日(火)16:50-17:20 【1-A-6 自動車衝突セッション 2】
「衝突安全及び歩行者保護評価用LS-DYNAダミーモデルの開発」
株式会社ヒューマネティクス・イノベーティブ・ソリューションズ・ジャパン
CAE事業部 CAEエンジニア
小林 元紀 様
ヒューマネティクスでは各部品、アセンブリの実機試験及び解析シミュレーションを実施し、ダミーモデルへのアップデートを随時実施している。本講演では<THOR 50th> <Harmonized Hybrid III 05th> <Regulated FLEX-PLI-GTR Legform> を中心に最新の開発状況を紹介する。
11月8日(火)13:30-14:00 【1-B-1 強度・衝撃セッション】
「鉄筋コンクリート構造物への航空機衝突解析による燃料飛散の評価」
株式会社テラバイト
技術部
マノチユ マドウラペルマ 様
鉄筋コンクリート構造物への航空機衝突では、構造物への衝撃による建物の損傷とその後の火災による損傷が大きな被害をもたらす要因である。航空機衝突による構造物の火災解析では、燃料タンクの破断シミュレーションおよび燃料飛散の評価が必要になる。本研究では、SPH粒子を航空機燃料と機内搭載物としてモデル化し、RC構造物の損傷度合に対するモデル化の影響だけでなく、構造物の火災解析のための燃料飛散について検討した結果を報告する。
11月8日(火)14:05-14:35 【1-B-2 強度・衝撃セッション】
「建築物の耐衝撃設計におけるシミュレーション解析の役割」
東京都市大学
名誉教授
濱本 卓司 様
日本建築学会では、昨年度(2015年度)、爆発や衝突といった偶発事象に対して建築物の安全性と機能性を保持することを目標とした「建築物の耐衝撃設計の考え方」を出版した。さらに、同年改訂された「建築物荷重指針・同解説」において、新たに「第11章 衝撃荷重」が加えられた。近年、建築分野で関心が高まっている衝撃荷重とその影響を合理的に推定するツールとしての衝撃解析ソフトの役割について考える。
11月8日(火)15:40-16:10 【1-B-4 現物融合CAEセッション】
「X線CTスキャニングによるアセンブリ品のメッシュ生成」
東京大学
工学系研究科 精密工学専攻 准教授
大竹 豊 様
X線CTスキャンは複雑な形状を有する実製品をデジタル化するための有効な手法であり、製品の寸法計測や現物ベースシミュレーションなどのデジタルエンジニアリング応用を目的として広く普及しつつあります。特に、近年の装置性能の向上によりアセンブリ品を高解像度にスキャン可能となってきており、そのデータの利用法や計算処理に関する研究が行われております。本講演では、アセンブリ品のCTデータに対する計算処理技術を中心に紹介します。具体的には、CTアーチファクト低減技術、パーツセグメンテーション技術、Simplewareによる解析メッシュ生成などを説明します。
11月8日(火)16:15-16:45 【1-B-5 現物融合CAEセッション】
「三点曲げ試験と有限要素解析による焼結金属接合材の機械的特性評価」
株式会社日立製作所
研究開発グループ 材料イノベーションセンタ プロセスエンジニアリング研究部 材料P4ユニット 研究員
鈴木 智久 様
次世代パワーデバイスのチップ接合材として銀や銅などの焼結金属が注目されている。しかし、素材の違いが機械的特性に与える影響については明らかになっていない。パワーデバイスでは接合部に変形が集中し破壊するため、実用化のためには機械的特性の把握が必須となる。そこで本研究では、三点曲げ試験と有限要素解析を用いて焼結銅と焼結銀の空孔部を含む機械的特性を推定した。この推定結果と実際の焼結構造を模擬した有限要素解析モデルを用いて、空孔部を除く緻密部の機械的特性を推定した。実際の焼結構造を再現したモデルは、FIB-SEMによって取得した連続断面画像から作成した。これらの検討により、焼結銅、焼結銀の機械的特性を明らかにした。
11月8日(火)16:50-17:20 【1-B-6 現物融合CAEセッション】
「脳神経外科術中モニタリングのための経頭蓋電気刺激の可視化」
慶應義塾大学
医学部 脳神経外科 助教
冨尾 亮介 様
様々な機能障害のリスクを孕む脳神経外科手術において、運動機能の温存は極めて重要である。経頭蓋刺激運動誘発電位(tMEP)モニタリングは術中の運動機能モニタリング法として広く普及しているが、経頭蓋電気刺激に関する理論的背景の検討は十分でない。我々はScanIPによってMRI画像から作成した3D頭蓋モデルと有限要素法シミュレーションを用いて、脳神経外科手術中の頭蓋変形による影響や、最適な経頭蓋刺激法の検討および臨床例による実証を行ったので、報告する。
11月8日(火)13:30-14:00 【1-C-1 生産技術セッション 1】
「JSTAMPによるプレス加工解析の活用事例」
株式会社ミツバ
加工技術センター
三田 智彦 様
CAE解析を活用した事前評価は、開発期間短縮・コスト削減や品質向上の有効的な手段の一つである。本報告ではミツバにおけるJSTAMPを活用したプレス加工解析の活用事例を紹介するとともに、CAE解析の解析精度向上に向けた取り組みを合わせて報告する。
11月8日(火)14:05-14:35 【1-C-2 生産技術セッション 1】
「成形シミュレーション予測精度向上の取組み」
日産自動車株式会社
車両生産技術本部 プレス技術部 第二圧型技術課
足立 尚久 様
自動車部品のプレス成形において、種々の不具合があり、中でも破断予測は成形性を左右する最も重要な不具合である。これまで成形シミュレーションを使って、課題解決に取り組んできたが、十分な予測ができていない。今回は、材料特性に注目して精度向上に取り組んだので、実部品の比較も含め報告する。
11月8日(火)14:40-15:10 【1-C-3 生産技術セッション 1】
「JSTAMP導入効果事例のご紹介」
株式会社JSOL
吹春 寛
[情報ご提供] 株式会社ファベスト様、株式会社秋山様
近年、JSTAMPを導入頂いた2社より、その適用効果や解析精度について、事例を含め紹介する。例えば、材料の著しい高ハイテン化の状況、それに対しJSTAMPのスプリングバック解析を面精度改善に活用し、実部品の面精度合格率の推移などについて述べる。またJSTAMP見込み機能を使った、スプリングバック解析事例とその実験結果もあわせて報告する。本発表の情報は、株式会社ファベスト様、株式会社秋山様よりご提供頂いたものである。
11月8日(火)15:40-16:10 【1-C-4 生産技術セッション 2】
「スクラップ落下挙動解析の確立」
株式会社ユニプレス技術研究所
生産技術開発センター 生産技術開発グループ
牧田 一真 様
自動車の構造部品にて、高ハイテン材の割合が増加している。それに伴いスクラップの落下挙動の予測が困難になり、スクラップの間口での引っ掛かりや型内への侵入が増加し、工場での金型補修工数の増加が問題となっている。そのため、デジタル上でスクラップ落下解析を行うことにより、設計段階でスクラップに 起因する不具合の予測及び対策を行うことを目的としている。そこで実型での挙動を高速度カメラで撮影し、その動画に対して分析を行うことで解析の入力条件を割り出すこととした。その入力条件を解析に織り込むことでデジタル上での再現性を上げ、高精度のスクラップ落下挙動解析の確立に向けて取り組んだ。
11月8日(火)16:15-16:45 【1-C-5 生産技術セッション 2】
「ホットスタンプ工法における穴拡げ及び張出し成形解析に関する取り組み事例」
株式会社ワイテック
熱成形開発グループ
佐々木 浩晶 様
鋼板をA3 変態点以上に加熱した後、プレス成形と同時に金型で冷却して焼入れを行うホットスタンプ工法は、高強度化と軽量化を両立出来るため、自動車における衝突安全性向上とCO2 排出量削減に有効である。このため、ホットスタンプ工法での高強度部品の生産も年々拡大しており、様々な部品形状をホットスタンプ工法で実現することが必要となっている。しかし、ホットスタンプ工法で穴拡げや張出しといった成形を行うことは難しく、解析による机上予測が欠かせない。今回、ホットスタンプ工法における穴拡げ及び張出しの成形実験とJSTAMPでの解析を行い、これを比較したので報告する。
11月8日(火)16:50-17:20 【1-C-6 生産技術セッション 2】
「プレス金型ダイフェース モデリングソリューションの提案」
株式会社JSOL
野口 哲司
ダイフェースのモデリング工数が課題となっています。一つは、設計の最初期工程での初期案の検討です。複雑な曲面で構成される余肉面はモデリングそのものに相当の工数がかかる一方、きず、割れなどの原因となるダイフェースの致命的な構造不良の予見は急がれ、工程ロスの解消が望まれます。また、調整段階においては、角度やRの変更など修正仕様上は微調整範囲でも、モデリング工数は大きく、工期を圧迫しています。これらに対するソリューションとしてOmniCADをご提案し、その利点を紹介いたします。3Dサーフェスに特化し、複雑な曲面の操作にすぐれた自由度と簡易さを提供します。ダイフェースの作成に独自の手法を用い、初期工数の短期化と玉成サイクルの短周期化に貢献します。
11月8日(火)13:30-15:00 【1-E-1 ベーシックセッション 1】
「LS-DYNAの基礎1 陽解法と陰解法」
株式会社JSOL
伊田 徹士
LS-DYNAの基礎知識のセッションです。基礎知識の習得や復習にご活用ください。LS-DYNAは解法として陽解法と陰解法を実装しており高速な現象から静的な現象まで、幅広い範囲で適用できるソルバーです。しかしながらこの解法の選択を間違えると、現実的な計算時間で結果得られない、正常に計算が終了しないなどの問題が発生します。本セッションでは、実装されている陽解法と陰解法がどのような判断基準で選択されるべきかを、それぞれの特徴を示しながらご紹介します。
11月8日(火)15:40-17:10 【1-E-2 ベーシックセッション 2】
「LS-DYNAの基礎2 接触定義の特徴と、解析の妥当性確認」
株式会社JSOL
大平 博道
LS-DYNAの基礎知識のセッションです。基礎知識の習得や復習にご活用ください。LS-DYNAにはさまざまな接触定義が準備されています。どのような判断基準で選択すべきかを、それぞれの接触定義の特徴を示しながらご紹介します。また、解析は適切な条件設定を行わなければ、時として、物理を再現しない結果が得られてしまうことがあります。そのためにユーザは、解析結果を鵜呑みにするのではなく、妥当性を確認することが必要となります。本セッションで、LS-DYNAの解析結果の妥当性確認としてチェックすべきことの代表的なものをご紹介いたします。
11月8日(火)10:20-11:20 【1-K-1 全体セッション 1】
【特別講演】 「Advanced constitutive modeling and application to sheet forming process simulations」
Pohang University of Science and Technology
The Graduate Institute of Ferrous Technology
Prof. Frederic Barlat
Continuum constitutive descriptions of plasticity suitable for finite element simulations of sheet forming processes are succinctly discussed in this presentation. Although multi-scale approaches allow for a more explicit representation of the physical deformation mechanisms occurring at microscopic scales, they are usually not suitable for industrial applications because of the quick turnaround time needed for process design simulations. Therefore, advances in classical concepts such as plastic anisotropy and strain hardening are still very much in demand. Actual forming simulation examples conducted in the steel industry are presented for illustration purposes.
11月8日(火)11:20-12:20 【1-K-1 全体セッション 1】
【基調講演】 「先進的材料試験による成形シミュレーションの高精度化」
東京農工大学
大学院工学研究院 先端機械システム部門 教授
桑原 利彦 様
塑性力学研究の究極の目標、それは成形不具合現象の完璧なる予測手法の確立である。成形不具合の予測精度向上のためには、解析に用いる材料モデルが、実際の材料の弾塑性変形挙動を可能な限り忠実に再現できる必要がある。そこで材料モデルの妥当性を実験的に検証する必要が生じる。実際の成形加工では、材料は多軸応力を受け、部位によっては反転負荷を受ける。したがって、材料モデルの妥当性の実験検証は、それらの応力状態を再現できる材料試験法に準拠すべきである。本講演では、板材および円管材の高精度な材料モデリングに必須となる先進的な材料試験法についてその概要を解説する。さらに高精度な材料モデルが、成形シミュレーションの精度向上に寄与した事例を紹介する。
11月9日(水)9:30-10:15 【2-A-1 LS-DYNAテクニカルセッション A】
「マルチフィジックス機能を用いた連成解析入門編 〜環境整備から解析準備、結果評価まで〜」
株式会社JSOL 天野 慎一
LS-DYNAには現在、衝突、熱構造、流体、電磁界、音響、振動分野の解析機能として、FEM以外にも、DEM、BEM、SPH、SPG、EFG、ALEといった離散化手法をはじめ、流体専用機能であるICFD/CESEや電磁界専用機能のEMのような種々の手法、機能が搭載されています。それらのほとんどの手法、機能は互いに連成させることが可能です。本講演では、LS-DYNAのマルチフィジックス機能で連成解析をおこなうために必要な環境および準備、機能選別から解析準備、評価までを様々な分野の解析事例を用いて紹介します。
[紹介する解析事例]
・ダンパーバルブ周りの流れ解析(流体+構造)ICFD
・ホットプレス解析(流体+構造+熱)ICFD
・翼断面形状の空力振動から発生する音の解析(流体+構造+音響)BEM
11月9日(水)10:20-11:05 【2-A-2 LS-DYNAテクニカルセッション A】
「LS-DYNAのStructured ALE (S-ALE) による流体構造連成解析のご紹介」
株式会社JSOL 柳下 真吾
LS-DYNAにおける流体構造連成手法として広く用いられてきたALE法(Arbitrary Lagrangian and Euralian Method)について、より最適化・高速化されたS-ALEソルバーの開発が近年進んでいます。ソルバーが高速化されたことで大規模な問題を扱うことができるようになってきており、より広範なALEの適用が期待されます。S-ALEソルバーのキーワードの使用上のポイントやこれまでのALEとの比較を中心に事例を交えてご紹介いたします。
11月9日(水)11:10-11:55 【2-A-3 LS-DYNAテクニカルセッション A】
「LS-DYNAにおけるメッシュフリー解析手法のご紹介」
株式会社JSOL 北風 慎吾
今日のCAEにおいて、モデル化技術の高度化に伴い、難問題や複合物理場を扱う機会が増えています。そのため、LS-DYNAでは変形が大きく従来の有限要素ではメッシュが潰れる強非線形問題や難易度の高い流体構造連成問題に対するソリューションとして、EFGやSPHといったメッシュフリー法に一早く対応してきました。R6からはDEMに、R8からはSPGというLS-DYNA独自の手法にそれぞれ対応し、問題解決のための幅広い選択肢をご用意しています。本発表ではLS-DYNAのメッシュフリー法概要や各手法の活用指針、ならびに応用例をご紹介いたします。
11月9日(水)13:00-13:30 【2-A-4 THUMSセッション】
「THUMS Version 5 と6 における筋肉のモデル化と制御手法」
株式会社豊田中央研究所
ヒューマンサイエンス研究領域 脳神経系モデリングプログラム プログラムマネージャー
岩本 正実 様
豊田中央研究所はトヨタ自動車と共同で衝突時の人体の挙動や傷害を予測するため人体の有限要素モデルTHUMS(Total HUman Model for Safety)を開発しており、2015年に全身の筋モデルを含むTHUMS Version 5 をリリースした。今後、THUMS Version 4 をベースにした全身の筋を含むTHUMS Version 6 のリリースを予定している。このフォーラムでは、THUMS Version 5 と6 における筋肉のモデル化とその制御方法について紹介するとともに、THUMS Version 5 を用いた解析事例に基づき衝突安全研究において筋活動を考慮する必要性について述べる。
11月9日(水)13:35-14:05 【2-A-5 THUMSセッション】
「血管構造を考慮した肝臓損傷解析モデルの構築と人体FEモデルへの適用」
名古屋大学
工学研究科機械理工学専攻 助教
伊藤 大輔 様
肝臓は内臓の中でも最大の臓器であり、交通事故により肝臓が損傷した場合、大量出血を引き起こし、死に至ることもある。本研究では血管構造を再現した肝臓モデルを構築し、それを人体FEモデルTHUMSに適用することで肝臓傷害メカニズムを解明することを目的とする。肝臓灌流状態での単体動的圧縮試験を模擬した有限要素解析をおこない、実験結果との比較による肝臓モデルの妥当性の確認と、血管構造に起因する損傷発生への影響を調べた。次に、血管構造を再現した肝臓モデルをTHUMSに導入し、剛体棒による腹部衝撃解析を行い、門脈付近での応力集中を確認した。
11月9日(水)14:10-14:40 【2-A-6 THUMSセッション】
「THUMSを用いたロケット打ち上げ緊急離脱時の人体衝撃解析」
東京大学
大学院 工学系研究科 特任教授
酒井 信介 様
有人ロケットのためのロケット設計にあたり、打ち上げ失敗時に緊急離脱する際の、人体衝撃解析が必要となる。入力となる加速度入力は、自動車衝突の場合と比較して、鉛直方向加速度に対する評価も求められるなど、宇宙環境特有の問題が含まれる。緊急離脱時に想定される加速度波形に対する、人体衝撃解析や傷害指標の検討にTHUMSを適用した事例を紹介する。HybridVなどの人体ダミーとの比較についても紹介する。
11月9日(水)9:30-10:15 【2-B-1 LS-DYNAテクニカルセッション B】
「LS-DYNAにおける要素の利用指針」
株式会社JSOL 清水 則雄 武田 雅弘
近年、LS-DYNAにおいても、高次要素を含む新規要素の実装が進み、ユーザーの要素選択の自由度が高まってきています。その一方で、要素の選択を誤ると、想定外の結果を招くおそれがあり、適切な解析を行う上での重要なファクターの一つとなっています。本講演では、LS-DYNAに実装されている要素の概要や特徴、そして、要素に起因する問題とその対策案についてご紹介させて頂きます。また、種々のシチュエーションにおける要素の適用事例をまじえて、要素の利用指針についてご説明いたします。
11月9日(水)10:20-11:05 【2-B-2 LS-DYNAテクニカルセッション B】
「LS-DYNAにおける接着剤モデル化手法のご紹介」
株式会社JSOL 木之内 純枝
自動車の車体軽量化のため、近年では鉄に代わってアルミや樹脂の車体への利用が進んでおり、これらの異種材を接合すべく、接着剤の使用も増加しています。本発表では、接着剤を含めた自動車関連の解析実現のため、材料モデルを中心にLS-DYNAにおける接着剤のモデル化手法をご紹介します。また、接着剤モデルを適用した解析例として、接着剤で接合したクラッシュボックスについてのLS-OPTによるMDO(multidisciplinary design optimization)事例をご紹介します。
11月9日(水)11:10-11:55 【2-B-3 LS-DYNAテクニカルセッション B】
「LS-DYNAによるロバスト設計手法」
株式会社JSOL 岡村 昌浩
近年の自動車開発においては、高い衝突安全性能や操縦性能と共にコストや燃費の観点から軽量化が求められており、開発の現場では、それらの要件を全て満たすべく高い次元でバランスの取れた設計が求められます。そのため、生産工程(材料、成型、組立)や使用環境におけるばらつきが性能に及ぼす影響を考慮することが重要となってきています。コンピューターシミュレーションを用いた検討は一般的に決定論に基づいて行われますが、LS-DYNAには形状や特性に確率的ばらつきを与えたモデルを生成し、計算を複数回行うことにより、確率論的な検討を行うことを支援する機能が存在します。本セッションでは、LS-DYNAを用いて製品設計に対し、確率論的な検討を行う手法ご紹介します。
11月9日(水)13:00-13:30 【2-B-4 新領域セッション】
「超高磁場生成解析の検討II」
株式会社テラバイト
技術部 第1技術課 課長代理
竹越 邦夫 様
電磁成形は電流によって生じるローレンツ力を利用する導電性金属を高速に成形させる手法である。電磁成形では、誘導電流、ローレンツ力、温度変化、高速大変形などの様々な物理現象が同時に複雑に起こる。このため、電磁成形の解析には高度な連成解析技術が要求される。LS-DYNAでは、バージョンR7から磁場ソルバーが利用可能となっており、LS-DYNAのみで熱−構造−磁場連成解析が可能である。電磁成形技術を利用した超高磁場生成法に関する解析検討を報告する。
11月9日(水)13:35-14:05 【2-B-5 新領域セッション】
「タイヤ摩耗進展シミュレーションによる偏摩耗予測」
住友ゴム工業株式会社
研究開発本部 研究第一部 課長代理
玉田 良太 様
タイヤ偏摩耗が発生すると、タイヤ寿命を大きく縮めるだけでなく、ノイズなどの性能も悪化してしまう。故に、タイヤ偏摩耗予測は非常に重要であるが、摩耗実験は長距離走行が必要なため時間がかかる。そこで、新品状態から徐々に変化するタイヤ表面形状を表現する摩耗進展シミュレーションにより、偏摩耗を予測する手法を開発したので、その手法について紹介する。
11月9日(水)14:10-14:40 【2-B-6 新領域セッション】
「配管閉止技術と支援解析」
株式会社IHI
技術開発本部 解析技術研究部
福重 由香里 様
燃料デブリ取り出しのためには格納容器内を冠水させる必要があります。そこで、格納容器下部に設置されているベント管内へ止水材(グラウト)を充填する工法が検討されています。本工法では、止水材を充填する際にベント管からサプレッションチェンバ(S/C)へのグラウト流出を防ぐため、ベント管とS/Cの間に閉止補助材と呼ばれるものを詰めて暫定的に水の流路を堰き止めます。本講演では、閉止補助材開発に関する実験的な取り組みと数値シミュレーション結果をご紹介します。
ご都合により講演が中止になりました
11月9日(水)9:30-10:15 【2-C-1 生産技術テクニカルセッション】
「JSTAMP最新機能・開発計画」
株式会社JSOL 加藤 祐司
JSTAMPの最新機能と開発計画についてご紹介します。最新機能としては、年内に予定されているバージョンアップの内容だけでなく、この1、2年の間にリリースされた有用な機能についても改めてご紹介いたします。
11月9日(水)10:20-11:05 【2-C-2 生産技術テクニカルセッション】
「JSTAMPの精度向上と海外活動」
株式会社JSOL 麻 寧緒 宮地 岳彦
LS-DYNAに新たに追加開発した3次元厚肉シェル要素の特徴を紹介し、薄板絞り・しごき加工へ適用する場合の解析精度と計算効率を報告する。また、近年広がるお客様の海外展開において、JSTAMPをどのようにご提供し、サポートしているかをご紹介する。
11月9日(水)11:10-11:55 【2-C-3 生産技術テクニカルセッション】
「焼ばめと熱/機械負荷による金型弾性変形を考慮した塑性加工工程の精密解析」
Gyeongsang National University(GNU), KOREA Mechanical Engineering Prof. Mansoo Joun
11月9日(水)13:00-13:30 【2-C-4 解析技術セッション】
「樹脂ペレットの流動性向上のためのペレット形状最適化」
ダイキン工業株式会社
テクノロジー・イノベーションセンター チームリーダー
劉 継紅 様
樹脂ペレットのホッパーへの充填とホッパーからの流出を対象に、ペレットの流動シミュレーションを、動的陽解法を用いて行った。これにより、小規模な解析モデルでのシミュレーション結果を精度検証し、工学的には十分に良好な精度を有するペレットの流動シミュレーション手法を確立した。また小規模な解析モデルのシミュレーション結果から実現象の結果を推測できることを確 認した。さらにペレットの流動性に及ぼすペレット形状(回転楕円体)の影響を明らかにし、流動性を向上させた最適な扁平楕円体(扁球)と扁長楕円体(長球)のペレット形状を見いだした。
11月9日(水)13:35-14:05 【2-C-5 解析技術セッション】
「缶・容器の成形加工解析における解析モデルの工夫」
大和製罐株式会社
技術開発センター CAE技術室
松本 収充 様
LS-DYNAで様々な缶・容器の3次元成形加工解析を行ってきました。難解な問題に対し、解析モデルを工夫し、小規模な解析システムでも有効な成果を上げた事例を紹介します。1つは缶の胴蓋の巻締め加工解析であり、スピン加工で2つ変形体を同時成形します。もう1つは樹脂チューブの頭部成形解析で、リメッシュ機能を使い高温の柔らかい樹脂をコンプレッション成形しました。
11月9日(水)9:30-10:15 【2-D-1 複合材テクニカルセッション】
「Digimat 新機能紹介」
株式会社JSOL 渡辺 麻衣子
複合材料の物性予測ソフトウェアDigimatの最新技術動向についてご紹介いたします。Digimatは複合材料のミクロ構造を反映した物性を予測するためのソフトウェアです。2016年6月に新バージョンDigimat 2016.1がリリースされ、各モジュールの機能追加・向上がされました。既存機能の作業効率向上がなされ、樹脂流動解析‐構造解析の連携解析の設定・実行が簡易になり、さらに計算速度向上も実現しました。また新機能として疲労解析用の材料モデルの取り扱いが可能になり、より幅広い範囲でDigimatを適用できるようになりました。本講演ではこれらの最新機能についてご紹介をさせて頂きます。
11月9日(水)10:20-11:05 【2-D-2 複合材テクニカルセッション】
「LS-DYNAによる複合材料プレス成形解析のモデリング技術」
株式会社JSOL 西 正人
CFRPのハイサイクルなプレス成形が可能となればCFRP構造体の量産化が加速すると考えられますが、プレス成形過程における繊維基材やプリプレグの変形挙動の制御は困難であるため、適合する成形条件を決定するプロセスが必要となります。FEシミュレーションはそのための有効な手段であり、JSOLではドライな繊維基材、熱硬化性および熱可塑性のプリプレグを対象に、プレス成形過程におけるCFRPの挙動をシミュレーションできるモデリング技術の構築に取り組んできました。本講演では、CFRPプレス成形時の代表的な不良であるしわをシミュレーションで予測するための面外曲げ変形の表現性について議論し、そのモデリングアプローチによる解析結果と実験結果の比較からシミュレーション解析の有効性についてご報告いたします。
11月9日(水)11:10-11:55 【2-D-3 複合材テクニカルセッション】
「LS-DYNAとMoldex3Dを活用した樹脂構造連成解析の事例:樹脂複合材料の圧縮成形」
CoreTech System Co., Ltd. Product Division Manager Dr. Tober Sun
昨今、自動車および航空宇宙業界を中心に、軽量化のための樹脂複合材料の適用ニーズが著しく上がり、従来の金属材料を上回る機械材料特性を得ようと短繊維や長繊維、最近では繊維マットや連続繊維が補強材として使われている。そのような背景を受け、繊維とポリマーマトリックスが複雑な挙動を示すことからCAEシミュレーションソフトウェアへのニーズも著しく高くなってきている。CoreTech System社では、LS-DYNAとMoldex3Dの利点を組み合わることにより、圧縮成形における繊維マットや連続繊維の充填挙動解析のソリューションを開発した。これにより、成形プロセスにて発生しうる各種の不具合をより正確に予測することが可能となる。
11月9日(水)10:20-11:50 【2-E-1 ベーシックセッション 3】
「LS-DYNAの基礎3 材料モデル」
株式会社JSOL 大浦 仁志
LS-DYNAの基礎知識のセッションです。基礎知識の習得や復習にご活用ください。LS-DYNAには300近い材料モデルが準備されています。材料モデルは、連続体において変形と力(ひずみと応力)を結びつけるものですが、その理論的は背景を理解しないと、材料モデルの適切な選択はできません。本セッションでは、可能な限りわかりやすく、代表的な材料モデルの理論的な背景を説明し、一般的によく使用される材料モデルの使い方を解説します。
11月9日(水)13:00-14:30 【2-E-2 ベーシックセッション 4】
「LS-DYNAの基礎4 エラー対策」
株式会社JSOL 小田 穂高
LS-DYNAの基礎知識のセッションです。基礎知識の習得や復習にご活用ください。LS-DYNAの計算でエラーが発生した時には、エラーとなる原因を調査して適切に対処することが安定した解を得るための近道になります。LS-DYNAでエラーとなる要因は多岐にわたりますが、代表的なエラーについてその原因と対処について安定性の観点を交えて解説します。
11月9日(水)15:00-16:00 【2-K-1 全体セッション2】
「THUMS Version 4 子供モデルの開発」
トヨタ自動車株式会社
車両CAE部 衝突安全CAE技術開発室 室長
北川 裕一 様
THUMSは車両衝突時の傷害を解析する人体FEモデルである。トヨタ自動車は豊田中央研究所と共同でTHUMSを開発・進化させてきた。最新バージョンは4と5である。バージョン4は骨折・脳・内臓傷害を解析、バージョン5は筋緊張を模擬可能である。本講演ではバージョン4に追加された子供モデルについて解説する。また、バージョン5の使用事例についても紹介する。
11月9日(水)16:00-17:00 【2-K-1 全体セッション2】
「Recent Development in LS-DYNA」
Livermore Software Technology Corporation
Dr. David J. Benson