LS-DYNAのマルチフィジックスソルバーは、公開から3年以上が経ち、その間に多くの機能が追加されてきました。電磁場解析機能(EM)では、主に2つの機能が実装されました。1つは軸対称ソルバーの強化です。今回の機能強化により、より高速かつMPPでの使用が可能となりました。2つ目は電池の内部短絡機能の追加です。電池をRandle回路で表現し、内部短絡による抵抗加熱による温度上昇が計算できることにより、電池の内部短絡による発火有無を評価できます。一方、高速で密度変化を伴う圧縮性流体を扱うCESEは熱構造連成機能のみならず、最新版では化学反応も考慮した流体構造連成解析に対応いたしました。また、chemistryソルバーは新たにエアバックのハイブリッドインフレータに対応しました。EM、CESEの最新機能についてご紹介いたします。
抵抗スポット溶接は他の接合方法と比較して、コストや時間等に関して優れており、多くの製品に適用されています。一方で、LS-DYNAではR7よりEMソルバーが実装されており、抵抗加熱解析が可能となりました。本ポスターでは、LS-DYNAのEMソルバーを使用したナゲット形成解析や冷却時の相変態を考慮した解析事例を紹介いたします。
JSOLでは、樹脂複合材料に対して成形過程を考慮したプロセスチェーンシミュレーションやミクロ構造を考慮した物性評価などの様々なソリューションをご提供しています。本ポスターでは、主に不連続繊維強化樹脂材料を対象としたJSOLが提供している各種ソフトウェアの適用事例をご紹介いたします。
LS-DYNAによる周波数応答解析が可能になり国内外で使用されるようになりました。そして現在も様々な機能が搭載され利用範囲が拡大しております。2016年最新の周波数応答など振動評価に関する機能をご紹介いたします。内容は以下の通りです。
LS-DYNAでは*SENSORや*DEFINE_CURVE_FUNCTIONなど制御システムを再現するためにいくつかのキーワードが用意されています。本ポスターではそれらのキーワードを用いた制御システムを考慮した解析事例をご紹介いたします。
LS-DYNAには現在、衝突、熱構造、流体、電磁界、音響、振動分野の解析機能として、FEM以外にも、DEM、BEM、SPH、SPG、EFG、ALEといった離散化手法をはじめ、流体専用機能であるICFD/CESEや電磁界専用機能のEMのような種々の手法、機能が搭載されています。それらのほとんどの手法、機能は互いに連成させることが可能です。本ポスターでは、LS-DYNAのマルチフィジックス機能で連成解析をおこなうために必要な環境および準備、機能選別から解析準備、評価までを様々な分野の解析事例を用いて紹介します。
■紹介する解析事例■
LS-DYNAにおける流体構造連成手法として広く用いられてきたALE法(Arbitrary Lagrangian and Eularian Method)について、より最適化・高速化されたS-ALEソルバーの開発が近年進んでいます。ソルバーが高速化されたことで大規模な問題を扱うことができるようになってきており、より広範なALEの適用が期待されます。S-ALEソルバーのキーワードの使用上のポイントやこれまでのALEとの比較を中心に事例を交えてご紹介いたします。
今日のCAEにおいて、モデル化技術の高度化に伴い、難問題や複合物理場を扱う機会が増えています。そのため、LS-DYNAでは変形が大きく従来の有限要素ではメッシュが潰れる強非線形問題や難易度の高い流体構造連成問題に対するソリューションとして、EFGやSPHといったメッシュフリー法に一早く対応してきました。R6からはDEMに、R8からはSPGというLS-DYNA独自の手法にそれぞれ対応し、問題解決のための幅広い選択肢をご用意しています。本ポスターではLS-DYNAのメッシュフリー法概要や各手法の活用指針、ならびに応用例をご紹介いたします。
近年、LS-DYNAにおいても、高次要素を含む新規要素の実装が進み、ユーザーの要素選択の自由度が高まってきています。その一方で、要素の選択を誤ると、想定外の結果を招くおそれがあり、適切な解析を行う上での重要なファクターの一つとなっています。本ポスターでは、LS-DYNAに実装されている要素の概要や特徴、そして、要素に起因する問題とその対策案についてご紹介させて頂きます。また、種々のシチュエーションにおける要素の適用事例をまじえて、要素の利用指針についてご説明いたします。
自動車の車体軽量化のため、近年では鉄に代わってアルミや樹脂の車体への利用が進んでおり、これらの異種材を接合すべく、接着剤の使用も増加しています。本ポスターでは、接着剤を含めた自動車関連の解析実現のため、材料モデルを中心にLS-DYNAにおける接着剤のモデル化手法をご紹介します。また、接着剤モデルを適用した解析例として、接着剤で接合したクラッシュボックスについてのLS-OPTによるMDO(Multidisciplinary Design Optimization)事例をご紹介します。
近年の自動車開発においては、高い衝突安全性能や操縦性能と共にコストや燃費の観点から軽量化が求められており、開発の現場では、それらの要件を全て満たすべく高い次元でバランスの取れた設計が求められます。そのため、生産工程(材料、成形、組立)や使用環境におけるばらつきが性能に及ぼす影響を考慮することが重要となってきています。コンピューターシミュレーションを用いた検討は一般的に決定論に基づいて行われますが、LS-DYNAには形状や特性に確率的ばらつきを与えたモデルを生成し、計算を複数回行うことにより、確率論的な検討を行うことを支援する機能が存在します。本ポスターでは、LS-DYNAを用いて製品設計に対し、確率論的な検討を行う手法ご紹介します。