化学／材料開発の分野では、樹脂や金属、複合材などの新素材を用いた製品づくりにおいて、高性能化・軽量化・環境負荷低減といった多様な課題に直面します。この新材料の特性を評価する際、実際に材料を試作して測定すると多大な時間とコストが必要です。また、実験のみでは分子レベルから製品レベルに至る複雑な挙動を網羅的に把握することが困難なため、開発の遅延や期待通りの性能が得られないなどの問題が生じます。

こうした課題に対し、CAEを含むシミュレーションやデータサイエンス／マテリアルズインフォマティクス（MI）などのデジタルデータの活用技術が有効です。分子・材料・製品へと連なるマルチスケールの視点で、強度や変形、熱・流体の影響までを再現し、実験で確認が難しい条件での検証も可能にします。さらに、実験・計測データと組み合わせたデータ駆動型設計により、材料特性の把握と設計反映を加速します。また、実験・計測データが不足している場合にはシミュレーションによるデータ補完をすることで、条件探索や逆設計にも展開できます。
このようなデジタルデータの活用技術によって、試作・実験の回数を抑えるとともに、性能とコストのバランスを最適化する材料開発を可能にします。

JSOLは、40年以上にわたる製造業界での支援実績を活かし、シミュレーションとデジタルデータ活用を統合した新しい開発プロセスにおける設計から運用まで、解析のプロとして支援します。