マイクロCTによる3D積層造形品の幾何的精度の考察
金属粉末のレーザー焼結による3Dプリンティング(laser powder bed fusion)は、自動車、航空など幅広い工業製品に活用されているほか、医療・歯科分野への応用も進められています。本事例は、慶應義塾大学理工学部 高野研究室にて、純チタンを用いた歯科補綴物を対象とし、積層造形品の幾何的精度をCADデータと比較した上で、疲労寿命予測を行った事例です。積層造形品のマイクロCT撮像データの解析にSimplewareソフトウェアが使用されました。
解析・利用例のポイント
- マイクロCTで積層造形品の幾何精度を評価
マイクロCTで積層造形品の幾何精度を評価
本事例では、マイクロCTを用いて金属積層造形品の幾何的精度を評価しました。純チタン製の歯科クラスプを対象に、Simplewareを使用してCTデータから3Dモデルを構築し、断面積や断面2次モーメントを算出しCADデータと比較しました。その結果、造形品はCADデータよりも断面2次モーメントがやや大きい値になっており、断面積も同様で、左右アーム共にCADデータよりもやや太めに形成されていたことが分かりました。そのため、造形品では疲労寿命が長めになることが推察されました。左アームに注目すると根元付近の断面2次モーメントの値が小さいことが分かりました。これにより左アームの疲労寿命は短くなると予想され、実際にアームに負荷をかける疲労試験によりそれが確かめられました。本研究により、設計段階で断面2次モーメントの値を精査することによって、設計改良につながることが示されました。
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2値化画面およびCADデータと造形品のマイクロCT画像による立体モデルの座標系の調整画面
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