Simplewareによる血管モデリングと流体構造連成解析によって腹部大動脈瘤に対する新たな治療アプローチを検討!
腹部大動脈瘤は、動脈壁の脆弱化によって形成される命に関わる疾患であり、特に破裂した場合の致死率が非常に高いと言われています。近年では、ステントグラフトによる治療が一般化していますが、術後に瘤が縮小しないケースも少なくありません。血行動態(特に壁面せん断応力)が瘤の形成や拡大に関与することが明らかになってきていますが、その詳細なメカニズムや介入効果に関する研究は不足しています。本研究は、国立病院機構関門医療センター心臓血管外科と山口大学創成科学研究科が?状腹部大動脈瘤におけるステント留置が血行動態因子に与える影響を数値解析によって評価し、治療法としての可能性を探った事例です。
解析・利用例のポイント
- SimplewareソフトウェアでCT画像から大動脈の3Dモデルを作成
- 画像データとCADデータの融合モデル
- 血流と大動脈壁変形を考慮した流体構造連成解析
囊状腹部大動脈瘤モデルとステント留置モデルの構築
最初に、囊状腹部大動脈瘤の術前評価のために撮影されたCT画像をSimplewareソフトウェアにインポートし大動脈モデルを構築されました。留置用ステントモデルは、バルーン拡張型ステント<sup>※1</sup>をステント設計の参考にし、CADソフトウェアAutodesk Inventor Professional 2020を用いてステント形状を再現されています。構築した大動脈モデルの全長は170 mm、大動脈径は17 mmから24 mm、左腎動脈上縁から動脈瘤下縁までの長さは42 mmであったので、ステント留置による左腎動脈への血流変化を評価するため、ステント全長70mm、ステント径25mm(大動脈径より1mm大きい)、ステントワイヤ径0.3mmとするなど、大動脈モデルデータに基づいたステントの直径と長さを決定しています。さらに、密度を2倍にし、ワイヤ径を半分にしたクローズメッシュステントも作成されました。これらのCADデータを再びSimplewareソフトウェアに読み込み位置調整を行い、3次元囊状腹部大動脈瘤形状モデル内にステントを配置し、テトラメッシュを生成されました。
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DICOMデータに基づく大動脈3D形状にCADで作成したステントを埋め込みモデルを作成
左から右へ:大動脈モデル、血液モデル、ステントモデル、クローズメッシュステントモデルのテトラメッシュ
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