- 実測データに基づくモデル構築
- 電気・熱・構造の連成解析
- 車載状態まで含めた評価を実現
実験データを活用した高精度モデル化
JSOLでは、HPPC試験(バッテリーの電気特性を調べる試験)による電気特性の取得、充放電試験による発熱特性の評価、さらに電極断面の観察による活物質の膨張量の測定を組み合わせることで、高精度なバッテリーモデルを構築します。HPPC試験結果からバッテリーの電気的な特性をモデル化し、充電状態ごとの電圧変化や電流に対するバッテリーの応答をモデルに反映することで、セルの電気的な挙動を精度良く再現します。
さらに、実測した正極・負極の膨張特性を材料モデルに取り込むことで、充放電に伴う形状の変化まで再現可能となります。これにより、実験だけでは確認できないセル内部の温度や変形などを可視化し、設計の妥当性を早期に検証できます。
充電による膨張予測の解析モデル
熱・電気・構造連成による膨張予測
JSOLで取り扱っているAnsys LS-DYNAを用いた熱・電気・構造連成解析により、電流の流れ、発熱、温度上昇、電極に含まれる膨張・収縮を統合的に評価します。解析モデルには充電状態に応じた膨張特性や熱物性を設定し、実際の充放電環境を再現します。その結果、セル全体の膨張量だけでなく、ケースと内部巻回体の温度分布や変形分布まで把握できます。
さらに、発熱に影響する要因も考慮することで、実験結果と良好に一致する予測を実現しています。試作品を製作する前の段階で設計案を比較検討できるため、開発期間短縮と試作コスト削減に貢献します。
電流密度ベクトル
車載状態を再現した拘束力評価
構築した膨張予測モデルは、セル単体の評価だけでなく、モジュールやパックへの搭載状態を模擬した解析にも適用できます。セル側面に、周囲の部材による拘束条件を設定することで、拘束の有無による膨張量の違いや内部各層のひずみ分布を可視化できます。特に、電極の合材層やセパレータなどの内部部材がどのように変形するかを把握できるため、信頼性向上に向けた構造設計に活用できます。
また、セルの膨張を抑えるために必要な力(拘束反力)も定量的に評価できるため、過不足のないモジュール設計が可能になります。
これにより、実機試験では確認が難しい内部応力や拘束による影響を開発初期段階から検討でき、設計品質向上に貢献します。
拘束有無によるセルの膨張および内部の各層の厚みの変化

