豊富な解析オプションで幅広いニーズに対応
Ansys nCode DesignLife は、多機能で高性能なソルバーを有した疲労解析システムです。
充実した標準機能に加え、多様な疲労解析オプションを備えており、幅広い課題に対応可能です。充実したソルバー機能はより多くの設計パターンを検討でき、製品の耐久性向上に向けた有益な知見が得られます。
Ansys nCode DesignLife は、用途やニーズに応じた3種類の製品パッケージをご用意しています。
【Ansys nCode DesignLife のパッケージ】
- Pro:応力寿命法、ひずみ寿命法などの基本機能に対応。Ansys Mechanical UIのみ使用できます。
- Premium:Proの機能に加え、き裂進展、安全率の評価、Dang Vanクライテリアに対応。Ansys nCode DesignLife UIが利用できます。
- Enterprise:すべてのソルバー機能を備え、振動疲労、溶接疲労、熱機械疲労などの解析にも対応可能。
機能のポイント
- 多機能な疲労解析ツール
- 幅広い解析オプション
- 直感的なUIを提供
Ansys nCode DesignLife Pro
Ansys nCode DesignLife の中核をなす評価手法である応力寿命法、ひずみ寿命法による疲労評価が可能です。Pro版では Ansys Mechanical のUIから Ansys nCode DesignLife の材料ライブラリやソルバー機能に直接アクセスできます。
応力寿命法
主に高サイクル疲労に対して適用される手法で、弾性域内での繰り返し載荷現象の寿命を評価します。多様なS-N曲線の定義手法を備えており、平均応力や温度などの因子に対して複数の材料データをカーブに内挿することもできます。

ひずみ寿命法
低サイクル疲労を中心に幅広い疲労現象に適用される手法で、塑性域に達するような大きな繰り返し荷重が生じる現象を評価します。一般的にはBasquin則およびCoffin-Manson則を用いてひずみ振幅と繰り返し数の関係を定義し、評価を行います。

荷重定義
一定振幅、タイムステップ、時刻歴等の荷重定義方法に対応しています。

Ansys nCode DesignLife Premium
Pro版でもひずみ寿命法・応力寿命法による基本的な解析はできますが、Premium版では多軸への対応、応力勾配の考慮など、より複雑な荷重を定義できます。また、Ansys nCode DesignLife のUI、詳細な疲労解析設定などの付加的な機能や、き裂進展、安全率の評価、Dang Vanクライテリアなどの高度なソルバー機能も利用できます。
Ansys nCode DesignLife UI
疲労解析のワークフローを可視化できます。直感的な操作で入出力の定義や各種機能の設定ができます。

バーチャルひずみゲージ、変位センサー
試験とのコリレーションを容易に行えます。ゲージおよびセンサーはポスト処理の際に、マウス操作により直感的にFEモデル上へ配置できます。

荷重定義
ランダム振動(PSD)、スウェプト・サイン信号などの荷重定義に対応します。振動データの入力、編集、可視化、分析に便利な振動マネージャー、信号処理機能が利用できます。

カスタム解析
PythonまたはMATLABスクリプトを使用して、既存の解析機能を拡張できます。

き裂進展
破壊力学に基づく疲労き裂進展予測ができます。NASGRO、 Forman、Paris、Walker等各種き裂成長則を備えています。

安全率の評価
応力を基準にした安全率を評価できます。エンジンやパワートレインコンポーネントの設計では、重要な設計指標として広く利用されています。

Dang Van
Dang Van は、複雑な載荷条件における耐久性を予測するための多軸状態の疲労限界基準です。結果は安全率で評価されます。

Ansys nCode DesignLife Enterprise
Enterprise版では、すべての疲労解析オプションを利用できます。振動疲労、溶接部の疲労、熱機械疲労、接着剤の疲労など多様な疲労現象に対応しています。
振動疲労
周波数領域での疲労評価を可能にします。風や波などのランダム荷重の解析では、時間領域の解析よりも効率的に評価できます。応力寿命法、ひずみ寿命法、シーム溶接、スポット溶接に適用できます。

シーム溶接の疲労
FEモデル上のシーム溶接ラインを識別し、シーム溶接の疲労解析が簡単に設定できます。すみ肉、オーバーラップ、レーザー溶接などのシーム溶接継手をカバーします。

スポット溶接の疲労
薄板のスポット溶接の疲労解析に対応しています。溶接のエッジ周辺の応力は断面力やモーメントを用いて計算されます。

接着剤の疲労
金属構造物の接着部の耐久性を評価できます。破壊力学に基づく手法で、構造内のどのジョイントに最も負荷がかかっているか特定できます。

熱機械疲労
有限要素解析の応力と温度を利用して高温による疲労とクリープを解析します。機械的な荷重の組み合わせも可能です。排気システムやマニフォールドなど、機械的、熱的に負荷がかかる部品の評価に適しています。

