十字リブ形状圧縮成形解析
不連続繊維強化樹脂材の圧縮成形を行うと、繊維のうねりや局所的な配向、ウェルドラインが発生することが知られています。これらは強度特性に影響するため、繊維変形や充填挙動を高精度に予測することが重要になります。
解析・利用例のポイント
- 不連続繊維強化樹脂材の圧縮成形解析
- 繊維配向やウェルドラインを予測
- マトリックス樹脂リッチ領域を予測
使用した繊維の詳細
本事例では、Randomly-Oriented Fibers材(ROF)と呼ばれる不連続長繊維強化樹脂材を使用しました。
製品名 : Tepex® flowcore (Bond-Laminates GmbH)
ガラス繊維長 : 30-50 mm
繊維配向 : 2D ランダム
繊維体積含有率 : 47%
マトリックス樹脂 : ポリアミド ナイロン6
ROF系不連続長繊維強化樹脂材:実機(左)、解析モデル(右)
解析結果
J-Compositesによる解析・予測結果は、具体的には繊維や樹脂の変形挙動、また繊維配向をもとにしたウェルドラインの形成など、実際に実験した結果をよく再現していました。
変形挙動の比較:試験(左)、解析(右)
ビーム要素から繊維配向を評価することが可能であり、リブの付け根部には繊維が少ない領域(マトリックス樹脂リッチ領域)が発生しました。また、ソリッド要素の変形形状からリブ先端部にウェルドラインが形成され、試験でも同じ位置にウェルドラインが生じました。
繊維(ビーム要素)とマトリックス樹脂(ソリッド要素)の変形形状
