Bピラーのアセンブリ解析
- 既存のメッシュデータを活用した効率的なスポット溶接アセンブリ解析
- 寸法公差が形状品質に与える影響の評価が可能
アセンブリ工程の解析設定
JWELD Spot Weldingでの解析設定は、以下のような5ステップです。
JWELDのスポット溶接解析では、打点形状をメッシュとして生成しモデル化しますが、ユーザーは打点形状を準備する必要がありません。打点座標を準備しJWELDへインポートすると、JWELDが自動的にリメッシュを行います。
溶接工程で使用するクランプ治具の動作やワークとの接触は、「一括作成」機能により簡単に設定できます。

Bピラーのアセンブリ解析
Bピラーの計算事例を示します。今回の事例では、部品3の形状を変更するパターンを2つ用意し、以下の全3ケースを計算しました。
ケース1.CAD正寸形状
ケース2.プレス公差を模擬した形状A
ケース3.プレス公差を模擬した形状B
ケース1は、設計図通りの形状で仕上がった単品部品同士をモデル化し、クランプ、溶接した際のアセンブリ形状を予測します。
ケース2と3は、図2に示す黄色のハイライト箇所を紙面手前/奥の方向に移動させ、X-X'断面に示すように、プレスによる公差を模擬した形状に変更します。今回はハイライト箇所を約3度、回転移動し公差を模擬しました。

予測結果
図3 にアセンブリ解析後のコンター図を示します。ケース1は、その他のケースと比べると変形量が小さくなっています。正寸形状のため、全体変形は、溶接による加圧/熱変形が支配的となっています。
一方でケース2と3は、ケース1に比べ変形量が大きく、プレスによる公差を模擬した形状の影響が明確に出ていることがわかります。

予測結果の断面図比較
図4 に示す Y-Y'断面で、ケース1~3 の断面形状を比較します。
ケース1 は部品間の合わせ面はおおむね合っており、大きな板隙は見られません。
ケース2 は、-Y方向の公差を与えたため、アセンブリ後も、端部でそり上りが残っていることが確認できます。
ケース3 は、ケース2と逆方向の+Y方向の公差を与えたため、相対する部品との接触によって-Y方向の変位が生じ、画像上端部の箇所で板隙が発生していることがわかります。
このように、JWELDのアセンブリ解析機能をお使いいただくことで、現物では確認しにくい、板間の隙間を事前評価することができます。
