薄板部品金型メーカーにおけるスプリングバックのCAE活用
薄板部品金型メーカー様
解析・利用例のポイント
- JSTAMPの適用で従来工数の1/10を実現
- ボディー薄板部品の量産金型製作への適用
神奈川県にある中堅金型メーカーA社では、昨今の厳しいカスタマーからのQ・C・D要請に対応するため、2003年よりJSTAMP/NVを導入して活用を開始しました。
主に、板厚が1mm以下のボディー薄板部品の量産金型製作に適用しています。
導入背景
7~8年前の海外の金型引き合い時に、解析の実施が受注条件になっていたことでした。そして今や、国内の引き合いに関しても、解析の実施が受注条件になりつつあります。
CAEは主に、図1の様なDRAW金型のわれ・しわに適用しており、スプリングバックは負荷オーバー・計算時間の兼ね合いで、親会社へ必要都度に解析を依頼しています。
[図1] DRAW金型:われ・しわCAE
運用体制
操作は3D-CAM出身の4名で、平均8部品/月についてCAM/CAEの全ての業務を行っています。システムの立ち上げは、JSOLでの教育後に2~3カ月でほとんど問題なく本格稼働へ移れました。また、導入当時のUNIX系に比べて最近のPC系ではシステム自体・GUIなどが改善されており、使いやすさが大幅に向上しています。
国内の受注部品では、たとえば板厚減少率がカスタマー指定の範囲に入るまで、解析を実施するケースもあります。部品によっては、10回以上のモデリング・解析を繰り返すこともあります。同時に、その指定範囲に入るまで、CAMデータの作成が許可されない場合もあり、工数はもとより日程に影響が出ることがあります。一方、トリムライン展開機能は、従来の誤差数mmのCAD展開より精度・工数ともに優れており適用が進んでいます。[図2]
[図2] トリムライン展開のCAE
導入効果
工数は適用前と比較すると1/10程度に、精度はほぼ±1.0mmの範囲に入る様になって来たので、大幅に玉成時のロス工数が低減されています。[図3]
[図3] CAEトリムライン展開の効果
導入事例
