粒子挙動を高精度・高速に再現するDEMシミュレーションツール

Ansys Rocky

粒子挙動を高精度・高速に再現するDEMシミュレーションツール

Ansys Rocky

機能・サービス

Ansys RockyTMは、粉体・粒子・繊維・薄片などの複雑な粒子挙動を高精度に解析するDEMシミュレーションソフトウェアです。球形近似だけでなく、多面体、繊維、シェル、任意形状の粒子を扱うことができ、粒度分布、粒子破砕、摩耗、境界形状の変化など、実際の材料挙動に近い粒子スケールの現象を再現できます。さらに、マルチGPUソルバーにより大規模粒子モデルを高速に計算でき、Ansys Fluent®、Ansys MechanicalTM、Ansys MotionTM、Ansys optiSLang®などとの連携によって、流体・構造・機構・最適化を含む連成解析にも対応します。PythonスクリプトやSDKを用いた自動化・カスタマイズにも対応し、業務に合わせた解析ワークフローを構築できます。

機能のポイント
  • マルチGPUにより大規模粒子解析を高速化
  • Ansys製品連携で流体・構造・機構を統合
  • PythonやSDKで解析業務を柔軟に自動化
  • 粒子破砕・摩耗・境界変形の解析
  • 実形状粒子を用いた高精度DEM解析

マルチGPU対応の高速粒子ソルバー

Ansys RockyはマルチGPUソルバーに対応しており、数百万規模の粒子を含む大規模なDEM解析を高速に実行できます。複雑な粒子形状や粒度分布を考慮しながら、現実的な計算時間で解析できるため、複数条件の比較や設計パラメータ検討を効率よく進められます。

マルチGPUでCPU環境に比べて数百倍の高速化

Ansys RockyTMは、同一マザーボード上で1枚以上のGPUカードを活用する独自の機能により、計算時間を大幅に短縮し、数千万粒子規模の大規模シミュレーションを可能にします。ここで示した例では、8つのCPUで実行した計算と比較して最大92倍の速度向上(または1つのCPUコアよりも736倍高速)というスケーラビリティを達成することができました。つまり、1秒のシミュレーションに91時間かかっていた処理が、NVIDIA P100カード3枚で1時間で完了したのです。
マルチGPUでCPU環境に比べて数百倍の高速化"

GPUで高速計算できることの恩恵

Ansys RockyTMは、同一マザーボード上で1枚以上のGPUカードを活用する独自の機能により、計算時間を大幅に短縮し、数千万粒子規模の大規模シミュレーションを可能にします。ここで示した例では、8つのCPUで実行した計算と比較して最大92倍の速度向上(または1つのCPUコアよりも736倍高速)というスケーラビリティを達成することができました。つまり、1秒のシミュレーションに91時間かかっていた処理が、NVIDIA P100カード3枚で1時間で完了したのです。
GPUで高速計算できることの恩恵"

Ansys Rocky 2026R1でMPI計算にも対応

GPU処理による高速化の選択肢以外にも、2026R1からは球状粒子形状のみを対象に、MPI通信による分散並列計算をサポートしました。これまでのバージョンではOpenMPによるスレッド並列処理のみであったため、複数CPUによる高速化の恩恵は限定的でした。MPIでの分散並列処理は汎用CAEの実行環境として広く普及しているため、GPU環境がなくても、Ansys RockyTM HPCライセンスと組み合わせることで、既存のCPUクラスタマシンによって計算高速化を実現できます。

Fluent・Mechanical等との連成解析

Ansys FluentとのCFD-DEM連成、Ansys MechanicalとのFEA-DEM連成、Ansys MotionとのMBD-DEM連成などに対応し、粒子単体の挙動だけでなく、流体、構造、機構運動との相互作用を含めた解析が可能です。Ansys製品群と連携することで、複雑なマルチフィジックス現象を統合的に評価できます。

粒子荷重をAnsys Mechanicalに渡して、構造変形予測

Ansys RockyTMによる離散要素法(DEM)とAnsys MechanicalTMによる有限要素解析(FEM)の連成により、バルク材料荷重が作用した際の構造物の応力・ひずみ応答を予測可能です。静的な解析にのみならず、過渡解析にも対応し、システムカップリングライセンスの併用によって、双方向連成解析が可能です。また、Mechanical上で最適化モジュールと組み合わせると、構造側の寸法最適値を算出できます。
粒子荷重をMechanicalに渡して、構造変形予測"

多様なCFD連成手段に対応

バイオマス反応器、サイクロン/デカンター、掘削屑除去、乾燥機、流動層および触媒反応器、穀物乾燥・選別、粒子輸送、スラリーミル、固体懸濁・沈降など多様な産業分野での粒子力学挙動を捕捉できるように、Ansys Fluent®との間で片方向、双方向の各連成解析に対応しています。それだけでなく、Ansys RockyTMに組み込まれた格子ボルツマン法ソルバでは、粒子流は流体の運動に影響を与える一方、流体力の影響を受けない一方向アプローチを採用しています。この手法は、シュートへの岩石粒子投入による気流評価など、大粒子が引き起こす気流予測に有用です。
多様なCFD連成手段に対応"

高度な機構動作を考慮した粒子動作の実現

Ansys RockyTMは単独で単純な機構動作を考慮することが可能ですが、Ansys Motion®と連携することで、複雑な入れ子構造や連鎖動作を伴う機構を再現し、変形体コンポーネントの応力ひずみの予測が可能です。Ansys Rocky単独では未対応である形状間の相互作用を考慮でき、PLCやMatlabなどの高度な機構ロジックの動作を可能とします。FMUインターフェースを用いた結合によって、Ansys Motionとの双方向連成解析によって、少ない計算コストで高精度化できます。
高度な機構動作を考慮した粒子動作の実現"

自動化・カスタマイズ対応の拡張機能

Ansys PyRockyTMやPrePostスクリプト、Solver SDKを活用することで、モデル作成、条件設定、計算実行、後処理までの一連の作業を自動化できます。さらに、独自の評価指標、ユーザー定義出力、カスタム物理モデルを追加できるため、業務固有の解析ワークフローを柔軟に構築できます。

Pythonベースのカスタマイズツール Ansys PyRocky

Ansys PyRockyTMはAnsys RockyTMユーザーのために公開されているPythonベースのカスタマイズキットです。コマンドベースにて、モデルセットアップからソルバ実行、ポスト処理までエンドツーエンドの処理が可能です。サポートされているAnsys Rockyのバージョンは2024R2以降です。ユーザーはJupter NotebookからRocky GUIを起動せずとも、コマンドから操作可能です。
Pythonベースのカスタマイズツール

PrePostスクリプティングによるワークフロー効率化 PyRocky

Ansys RockyTMのAPI PrePostは、Rockyのデータ構造やシミュレーション結果に対して、より低レベルなアクセスを提供します。このAPIを使用することで、プロジェクトをゼロから設定・シミュレーションしたり、シミュレーション結果を分析・エクスポートしたり、Rockyの標準機能の範囲を超える計算を実行したりすることができます。カスタマーポータル上には多数のサンプルがあり、ダウンロードして利用できます。
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外部カスタムモジュールの活用

Ansys RockyTMには内部に組み込まれているモジュールとは別に、開発者やユーザーが公開されている外部のカスタムモジュールが用意されており、ユーザーは自由に利用可能です。一例として、電磁場カップリングのモジュールがあり、「電磁力」、「磁力」、「鉄磁性体の磁力」、「摩擦帯電」の機能を置き換えるものです。このモジュールでは通常機能ではできない磁気双極子およびローレンツ力を直接計算することができます。
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粒子破砕・摩耗・境界変形の解析

球形だけでなく、薄片状・不規則形状など実際の材料に近い多様な粒子形状を考慮できます。さらに、粒子が衝突や圧縮を受けた際に、一定の確率モデルに基づいて割れる挙動を表現可能です。これにより、製造工程や粒子の集合が使われるような現場環境における粉砕・破砕工程で発生する粒径分布や材料のばらつきを、実験前にシミュレーション上で把握できます。

様々な粒子形状の破砕に対応

球形だけでなく、薄片状・不規則形状など実際の材料に近い多様な粒子形状を考慮できます。さらに、粒子が衝突や圧縮を受けた際に、一定の確率モデルに基づいて割れる挙動を表現可能です。これにより、製造工程や粒子の集合が使われるような現場環境における粉砕・破砕工程で発生する粒径分布や材料のばらつきを、実験前にシミュレーション上で把握できます。
様々な粒子形状の破砕に対応"

粒子衝突に伴う摩耗を考慮

粒子が装置の壁面や部品に衝突することで発生する摩耗をシミュレーションできます。実装されている摩耗モデルはアーチャードの摩耗則に基づき、材料の表面に対する摩擦力によって行われた仕事に材料の体積損失を関連付けます。どの位置に粒子が強く当たり、摩耗が進みやすいかを可視化できるため、部品の寿命予測や形状改善、材料選定に役立ちます。搬送・粉砕・混合など、粒子が設備内を移動する工程のトラブル低減を支援します。
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粒子-境界の衝突で起こる浸食量の算出

本機能はデフォルトで実装されている表面摩耗反映モデルとは異なり、ジオメトリの表面は変更されません。代わりに、累積浸食質量を計算して境界-三角形要素のプロパティに関連付け、それを後にポスト処理することができます。選べる経験的浸食モデルは3種類あり、Finnie&McFadden、McLaury&Ahlert、Oka et alの3種類から選択可能で、各モデルで計算される浸食質量と浸食速度が算出できます。
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実形状粒子を用いた高精度DEM解析

Ansys Rockyは、球形粒子だけでなく、多面体、繊維、シェル、凹凸を持つ任意形状の粒子を扱うことができます。実材料に近い粒子形状や粒度分布を反映することで、粉体・粒状体・繊維状材料の流動、堆積、混合、搬送挙動をより現実に近い形で評価できます。

粒子の形状がなぜ重要なのか?

実際の粒子形状を表現することは重要であり、複数の利点をもたらします。製薬業界の錠剤を例に考えてみましょう。図示された形状を表現するには、従来の方法である球体を重ねる手法もあれば、真の形状表現、具体的には多面体として単一の粒子を立体的に表現する方法もあります。球体の結合では凹凸があり、エッジを適切に表現できません。その結果、この手法を用いたシミュレーションでは正しい粒子摩擦や破損を得られない可能性があります。多面体は粒子の鋭いエッジをより精密に表現し、滑らかで平坦な表面を提供します。これにより凹凸表面による人工的な摩擦が排除され、実形状は粒子形状を正確に表現します。
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変形可能な粒子

電池製造におけるカレンダー加工や医薬品における錠剤圧縮など、粒子に著しい塑性変形が生じるアプリケーション向けのBeta機能に対応しています。FEMに着想を得た要素変形アプローチによって、粒子の大変形を実現します。また、離散的破砕モデルに対応することで大変形に伴う粒子の破砕も表現できます。
変形可能な粒子"

実際の物理的表現

表現可能な形状としてはファイバー、シェル、ソリッドの凸面体および凹面体、また2つ以上の異なる粒子セットを組み合わせて作成された、完全な内部体積の閉じた3Dの形状に対応します。これらの機能によって、ファイバーをカスタムすることで干し草や麺類の表現、シェルをカスタムすることでスナック菓子や紙の表現、多面体をカスタムすることでタブレットやボルトの表現を可能とします。
実際の物理的表現
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