材料特性予測ツール

Digimat

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Digimatの金属解析

樹脂複合材料の物性予測や構造解析連携解析を行うためのツールとして始まったDigimatですが、近年、その解析対象は樹脂複合材料だけにとどまらず金属材料にも広げています。 金属は結晶構造を持ち、その結晶面のすべりによって変形するため、変形や応力挙動は結晶構造に依存することが知られています。つまり、金属材料の物性予測においてミクロな結晶構造の考慮は重要であり、Digimatではそれらの解析をサポートするための機能を備えています。本記事では、Digimatの金属材料解析向けの機能をご紹介します。
解析のポイント
  • Digimatの金属材料解析向けの機能をご紹介

Digimat-MF(均質化法)の結晶塑性解析

Digimat-MFの結晶塑性解析では、結晶格子や集合組織(Texture)を考慮したひずみ-応力曲線や変形による極点図の変化、成形限界線図(FLD)などを予測することが可能です。
入力パラメータは、材料パラメータとして、密度、弾性定数、硬化パラメータ(Voceモデル、Asaro-Needlemanモデル)、結晶格子、またミクロ構造パラメータとして集合組織(結晶方位)の設定を行います。結晶格子では、面心立方格子(FCC)、体心立方格子(BCC)、六法最密充填(HCP)を選択可能で、体心立方格子(BCC)、六法最密充填(HCP)、すべり系の指定が可能です。集合組織の設定では、集合組織はランダム設定またはユーザー定義として実測などで得られたTexture fileをインポートすることが可能です。Digimat-MFでは集合組織は設定しますが、実際に3次元のモデルを構築するのではなく、Taylorによる均質化法(1939)によって平均的な挙動を求めます。
Digimat-MFで求められた成形限界線図(FLD)はFEMソルバー用のパラメータとして出力し、例えばプレス成形など金属材料を用いた製品の成形工程解析などに利用することが可能です。

図1. Digimat-MFで得られる結果(a) 極点図、(b)応力-ひずみ曲線、(c)成形限界線図(FLD)
図1. Digimat-MFで得られる結果(a) 極点図、(b)応力-ひずみ曲線、(c)成形限界線図(FLD)

Digimat-FE(ミクロ構造モデリング)の結晶塑性解析

Digimat-FEでは、実際に指定された集合組織(結晶方位)のデータに基づき、Voronoiアルゴリズムにより結晶粒を生成しミクロ構造を構築し、前述のDigimat-MFで記した結晶塑性モデルを材料モデルとして適用して有限要素法解析を行います。この解析により、極点図の変化やひずみ-応力曲線、応力結晶方位角のコンター図を見ることが可能です。

図2. Digimat-FEの金属結晶モデリング機能(結晶構造生成 - メッシュ生成)
図2. Digimat-FEの金属結晶モデリング機能(結晶構造生成 - メッシュ生成)

Digimat-FEで得られる結果

Digimat-FEで集合組織を設定する際には、計算領域内に配置する結晶粒(grain)の数やアスペクト比を設定することが可能なので、より現実の材料に近い構造を生成し、高精度な解析を行うことが可能です。Digimat-MFだけでは得られない、3次元モデル上で応力や結晶方位角のコンター図を見ることができる点が特長です。

図3. Digimat-FEで得られる結果(a)極点図、(b)コンター図(結晶方位角)、(c)応力 - ひずみ曲線
図3. Digimat-FEで得られる結果(a)極点図、(b)コンター図(結晶方位角)、(c)応力 - ひずみ曲線
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