EMCoS Studio 機能・サービス
最新の電磁界シミュレーション、回路シミュレーションの技術を
機能のポイント
- シミュレーション目的に応じて最適な手法を選べる
- モデル作成・結果分析を簡単な操作でできる
- 高速・高精度を追求したソルバー
シミュレーション目的に応じて最適な手法を選べる
EMCシミュレーションでは、回路素子から基板、筐体、電線にいたるまで、大きさや特性が異なるさまざまな部品が関係します。このため、単一の数値計算手法ではうまく解けない場合が多くあります。EMCoS Studio は、シミュレーションの対象や目的に応じて、最適な計算手法(ソルバー)を使い分けたり、組み合わせたりすることができ、効率的なシミュレーションを実現できます。
汎用的な電磁界解析 (EM Simulation)
高速・高精度なモーメント法ソルバーを用いた、3次元電磁界解析を行います。伝導から放射まで、あらゆる電磁ノイズ解析を行えます。アンテナやレーダーの設計にも広くお使い頂いている手法です。おおむね100kHz以上の周波数帯の解析に威力を発揮します。

大規模な束線・シールド線の解析 (Hybrid Simulation)
複雑なワイヤーハーネスに特化した、高速近似解法です。通常の3次元電磁界解析では計算時間が膨大になってしまう、大規模な束線の伝導・放射ノイズを、ハーネスの回路解析と、空間のモーメント法解析の連成によって、計算することができます。

金属配線・筐体の等価回路抽出 (3D PEEC Extraction)
バスバー、ワイヤーボンディングなどの配線や金属筐体の形状を入力し、そのSPICEの等価回路モデルを出力するソルバーです。得られた回路モデルを用いることで、寄生インダクタンスや浮遊容量を考慮した、高精度な伝導ノイズのシミュレーションを実現できます。

浮遊容量の推定、絶縁破壊の解析 (LF Electric Field)
低周波電界の解析に特化したソルバーで、電界分布や静電容量を求めます。特殊な高速化処理を行っており、極めて速い計算が可能です。絶縁破壊(放電現象)の発生有無の予測に、効果を発揮します。

低周波の磁界エミッション解析 (LF Magnetic Field)
1MHz以下の低周波磁界に特化して精度・速度を高めたソルバーです。低周波の人体曝露評価(基本制限・参考レベル)、低周波磁界エミッションの推定、スマートエントリーシステムの設計などに適用可能です。

回路解析・1D解析ソルバー (System Simulation)
回路シミュレーションによって、信号の伝送特性や、サージ・伝導ノイズの計算を行います。Sパラメータの合成、デエンベッディングなどのシステム解析も可能です。

モデル作成・結果分析を簡単な操作でできる
モデルの作成や結果の表示がスムーズにできることは、シミュレーション業務においてきわめて重要です。EMCoS StudioはEMC設計シミュレータ随一の使いやすいGUIを備えており、画面操作のための作業時間を最小限におさえられます。
多彩で使いやすい形状作成機能
あらゆる形状・メッシュをEMCoS Studioのなかで作ることができるほか、各種の機械CADや基板CADのデータ読み込みにも対応しています。ガラスアンテナやシールドケーブルといった、自動車EMCで重要となるパーツをモデル化するための専用機能も搭載しています。

多彩な結果分析が行えるポストプロセッサ「SimDAT」
通常の2軸のグラフからスミスチャートまで、空間の電磁界分布からアンテナ指向性まで・・・EMC設計に必要なあらゆるグラフや分布図を、簡単に表示することができます。

メッシュ修正・コースニングツール「ReMesh」
構造解析のために作られたメッシュは一般に要素サイズが小さく、電磁界解析で流用する場合は少し粗いメッシュに切りなおす必要があります。このメッシュ修正は、従来非常に手間がかかる作業でした。高性能なメッシュ修正ツール ReMesh を用いると、目標とする要素サイズを指定するだけで、自動(手作業なし)でメッシュを粗く切りなおす(コースニング)ことができます。

ワイヤーハーネスのCADデータの読み込み
一般的な解析ツールでは扱えない、ワイヤーハーネス(ケーブルアセンブリ)の設計CADデータをインポートして、計算に使用することができます。これにより大規模な束線の伝導ノイズ、放射ノイズの計算が可能になります。

高速・高精度を追求したソルバー
製品全体を解くアセンブリレベルのEMC解析では、高い計算精度・速度が求められます。また、シールドケーブルやワイヤーハーネスの束線、各種アンテナなど、製品の構成要素をうまく取り扱う必要があります。EMCoS Studioは、こうした要請に応えるべく、ソルバーの基本性能を向上させ続けています。
マトリクス分割計算
モデルを部分的に変更して計算を繰り返したい、ということがしばしばあるかと思います。EMCoS Studio 特有の「マトリクス分割計算」では、全モデルに共通する形状の演算は1回だけで済ませ、モデルごとに変わる形状だけを都度計算しなおすことで、全体の計算時間を大幅に短縮します。

近似解法による計算高速化
精度を保って計算量を省く処理を行うことで、計算時間を短縮できます。たとえば低周波の電界解析 (LF Electric Field) では、古典的モーメント法電磁界解析に比べて、数十倍の速度が得られます。また、束線の回路近似解析 (Hybrid) では、自動車1台分のフルハーネスの計算も実現することができます。

ガラスアンテナの高精度解析
自動車のガラスアンテナ、プリント基板上のアンテナの設計に活用いただいている機能です。誘電体上に構成されたアンテナに特化したGreen関数を用いることで、これらのアンテナの高速・高精度な性能予測を実現します。

束線のからまり影響の統計解析
ワイヤーハーネス製造時に必ず発生する電線の絡まりによって、同一製品の電磁ノイズにもばらつきが生じます。EMCoS Studioはこうしたばらつきの統計解析機能を持ち、現実に即した分析が可能です。

多層編組シールド線の解析
箔と編組の二重シールド線、多芯シールド線のモデル化が可能です。シールドの効果と要否、シールド構造とノイズの関係を分析できます。

高速な並列計算ソルバー
EMCoS Studioの並列ソルバーは、コア数に対して高い速度向上率(スケーラビリティ)を持ちます。WindowsのマルチコアCPU、Linuxの多ノードクラスターの双方に対応しており、より大規模なモデルをより短時間で計算することが可能です。

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