著者プロフィール
橘 英三郎
- 大阪大学名誉教授 建築工学
有限要素法があるなら無限要素法があってもよいのではなかろうか?
この答えは「無限要素法はある」で正解。それは決して新しいものではない。通常の弾性論などで記述されている解法をあえて言うなら「無限要素法」に相当する。
弾性論の基礎は、まず1辺がdx、dy、dzの微小要素を取り出し、その釣り合いと、応力・歪の関係を考え、その極限小を考えることから釣り合いの微分方程式と適合条件式を組み立てる。極限小を言い換えるなら、その微小要素を無限に小さくしていくということでもある。
少しデリケートな話になるが無限には二通りある。一つは無限大であり、一つは無限小である。
ところで我々は「無限」とくると大体はとてつもなく大きいとか、とてつもなく多いといった場合に使われる。つまり無限といえば「無限大」であり、あまり「無限小」の意味で用いられることはない。ちなみに英語でも、無限大はinfinite、無限小はinfinite smallnessとなり小の場合はわざわざsmallnessをつけるので我々の感覚と良く似ている。
扱う対象物が無限か有限かとなると話は別だ。弾性論では半無限(大)体を解くこともできる。有限要素法ではどうか?
どちらかというと不得意で、地盤等を含む建物の動的解析では地盤を無反射境界などで区切り有限領域にして解析する。もっとも2次元の「平面ひずみ要素」は、暗黙のうちに奥行き方向に無限を考えていると言えなくもない。
要は、有限要素法の有限は無限小の要素をベースとしない、という意味での有限要素である。
宇宙はトポロジカルに有限それとも無限?
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