
CAE Technical Library CAEブログ - CAE技術情報ライブラリ
2008.11.04
はじめに
- 開 催 日 2008年9月1日〜9月5日
- 開催場所 インターラーケン(スイス)
- U R L http://www.numisheet2008.ethz.ch/
NUMISHEETは1991年に始まり17年の歴史がある板成形シミュレーションの国際会議です。当社では、論文講演、ベンチマークの結果発表、JSTAMPの展示などを行うとともに、この分野の最新テーマや今後の動向を知るために参加を続けています。
今回のメインテーマは、環境問題にも関連して、軽量化に伴うハイテン材のスプリングバック予測と、超ハイテン材化を目的としたホットスタンプです。シミュレーションとしては、既に取り組んでいる課題と、まさに取り組みを始めたばかりの課題です。
参加者は約250名(アジア2割、北米2割、欧州6割)、論文数は約150件となっています。会議では、個別の研究テーマに関する論文の投稿・講演に加えて、毎回ベンチマークの形式で特別なテーマを設け、参加した団体による、実験やシミュレーションの結果を比較するのが特徴となっています。
今回のベンチマークは、(i)材料の破断(8)、(ii)数値ビード(12)、(iii)ホットスタンプ(5)の3種類でしたが、( )内はそれぞれベンチマークの参加団体数で、大学、研究機関、民間企業などです。
Daimler社のRoll博士による基調講演では、板成形シミュレーションの歴史と今後の課題について示され、特にこれから解決すべき課題として、1) 材料のモデル化手法 2) 衝突解析連携(加工の影響) 3) 熱連成・溶接の影響4) 金型やプレス機そのものの影響 5) せん断破断 6) ヘミング解析などが挙げられていました。
当社からはY-U(吉田‐上森モデル)およびソリッド要素によるスプリングバック予測に関する論文投稿とベンチマーク(iii)のホットスタンプのシミュレーションに参加しました。
会議直前に主催者側から当社の結果が良好との連絡を受け、その結果発表の機会を得ることができました。このシミュレーションは接触による熱伝達など熱と構造の連成解析、シェル要素の厚さ方向の温度分布が扱えるなどJSTAMPがLS-DYNAの持つ有効な機能を充分に利用したものとなっています。
最終工程の冷却後における材料の硬度予測結果まで提出したところは当社を含めて2社のみでしたが、当社の結果は実験結果と非常に良い一致をみました。
次回 NUMISHEET2011は韓国ソウルでの開催が予定されています。

