繊維構造への樹脂含浸プロセス計算
CFRPやCFRTPの成形では、樹脂含浸時に空隙が残ると強度低下の原因となります。本事例では、粒子法エンジンVSOP-PSを用いて、繊維構造への樹脂浸透と空隙形成を3次元でシミュレーションしました。粒子法は自由表面の扱いに優れており、繊維と樹脂を粒子で表現し、圧力を加えて樹脂を浸透させます。界面張力の違いによる空隙形成の変化も再現でき、空隙評価に有効な手法です。
解析・利用例のポイント
- 粒子法を用いたプロセスシミュレーション
- 界面張力の影響を解析可能
粒子法を用いたプロセスシミュレーション
繊維と樹脂を粒子で構成した樹脂浸透モデルを示しています。繊維は粒子を結合させて位置を拘束し、樹脂はx方向から圧力をかけて繊維間に浸透させます。計算は3次元で、各方向に周期境界条件を設定しています。このモデルにより、繊維構造内での樹脂の流動と空隙形成の挙動を詳細に解析することができます。
樹脂浸透モデル
界面張力の影響を解析可能
繊維と樹脂の界面張力を変化させた場合の繊維間の空隙形成の違いを示しています。界面張力が強い場合(左図)は樹脂が繊維間に密に分布し、空隙が少なくなります。一方、界面張力が弱い場合(右図)は繊維間に空隙が形成されやすくなります。これにより、界面物性が含浸性に与える影響を定量的に評価できます。
繊維と樹脂の界面張力を変えた場合の繊維間の空隙形成の違い
解析内容の詳細
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