Euro NCAP では 2020 年より、MPDB を用いた前面オフセット衝突試験などの新たな評価項目が導入されます。今回は、JSOL が提供している FE モデルの中から、この最新 Euro NCAP 対応に必要なモデルをご紹介いたします。
MPDB(Mobile Progressive Deformable Barrier)
現実に近い対車両の衝突状況を作り出すため、前面オフセット衝突試験に使用されるバリアが、固定された ODB から、台車にバリアを搭載して可動性のある MPDB に変更されました。JSOL が提供する MPDB の FE モデルは、LST 製と Ove Arup & Partners 製の2つがあります。Ove Arup & Partners 製では、モデルデータだけでなく、Euro NCAP の評価に必要な結果処理を自動で行う ARUP Software/D3PLOT 用スクリプトも提供されます。
THOR 50th Euro NCAP
MPDB を用いる前面オフセット衝突試験では、運転席に搭載するダミーに、従来の Hybrid III AM50 に替えて人体忠実度の高い THOR 50th が採用されました。ただし、US NCAP で使用されている THOR 50th から下肢部品を変更するなど Euro NCAP 用にカスタマイズされています。このカスタマイズに対応した FE モデルとして、Humanetics 社製の THOR 50th Euro NCAP を JSOL から提供しています。
Q10 Euro NCAP 2020/Side Kit
前面オフセット衝突と側面衝突の両試験では後席には子供ダミーの Q6 と Q10 を搭載します。Q10 については、通常の Q10 に追加で Euro NCAP 用の 2020 Upgrade kit が用意されており、この kit を含む有限要素モデルとして、前面衝突用の Q10 Euro NCAP 2020 と、側面衝突用の Q10 Euro NCAP 2020 Side Kit を提供しています。
THUMS Version 4 Euro NCAP TB024 対応モデル
Euro NCAP では、アクティブボンネット等を備える車両の歩行者保護性能試験の条件決定を、人体モデルを用いたシミュレーションで行います。2018 年からは、規定の認証条件を満たす人体モデルの使用が求められおり、条件に適合したモデルとして THUMS Version 4 AM50、AF05、AM95、6YO のEuro NCAP TB024 対応モデルを提供しています。
THUMS の製品一覧は こちら でご案内しています。
今回ご紹介したモデルを含め、JSOL 取り扱いのダミーモデル/人体モデルの詳細は こちら からお問い合わせください。
技術ブログカテゴリ
新着記事
- 形状設計フェーズでの組み立て精度向上によるコスト削減
~ 組み立てCE検討ツールのご紹介 ~ - JSOLが考える「溶接シミュレーションと工場デジタルツインが実現する工程設計」について講演しました
- リアルワールドの自動車衝突安全に向けて
- 機械学習で加速する材料シミュレーション技術
- ノウハウ不要!樹脂の複雑な材料特性を簡単にフィッティング 〜 材料同定ツールと高精度ユーザーサブルーチンの活用事例 〜
- 樹脂材やゴム材の高精度予測に向けたパラメータ同定
- データ活用からナレッジ活用へ ~ モードによる評価と履歴データの活用 ~(後編)
- データ活用からナレッジ活用へ ~ モードによる評価と履歴データの活用 ~(前編)
- 製造業におけるマテリアルズ・インフォマティクス
- 医療機器開発にも導入が進むシミュレーション技術の今
