LS-DYNAは、スポーツ用品の性能評価にも使われています。たとえばバドミントンラケットやテニスラケットの性能評価、ゴルフクラブの性能予測、打球音の音響解析など、利用用途はさまざまです。
こちらはバドミントンの打撃解析事例です。ガットとシャトルの衝突による両者の変形がよく再現されています。
ガットとシャトルの変形
この解析事例のポイントは、次の2つです。
(1) ガットをビーム要素でモデル化し、ビーム要素同士の接触が安定的に計算できていること。
(2) ガットに初期張力を与え、シャトルの反発を適切に再現できていること。
ラケットの応力分布などもLS-DYNAで確認できます。
0.003秒間の相当応力を見ると、0.002[sec]~0.003[sec]の時点で、「フレームとシャフト(棒の部分)の結合部」と「グリップに近いシャフトの根元」に高い応力が発生しています。
フレームとシャフトの応力分布
続いて、エネルギーと力の履歴をグラフで確認してみましょう。グラフ内の赤い線はシャトルの運動エネルギー、青い線はガットの接触反力です。シャトルがガットに衝突しはじめてから0.001秒付近で接触反力が最大になります。ガットとシャトルの図と合わせて確認すると、ガットが最も大きく変形するタイミングと接触反力が最大になるタイミングが重なっていることがよくわかります。
シャトルの運動エネルギーと接触反力のグラフ、変形の様子
解析結果のムービーや実機との比較をLS-DYNAのライブラリに公開しています。
また、本事例の詳細はアプリケーションノートとしてユーザーサイト(要登録)にも掲載しております。
詳細はこちらからお問い合わせください。
今後も、衝突・落下解析に限らず、成形解析や流体解析など、JSOLが行った新旧さまざまな解析事例をCAE技術情報ライブラリで紹介していきます。
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