機械学習による沸点、屈折率、比誘電率の推算[和歌山県工業技術センター様]
GCNやXGBoostなどの機械学習手法を用いて、化学構造から沸点・屈折率・比誘電率を予測するモデルを構築しました。転移学習によりケイ素系化合物の予測精度も向上し、マテリアルズ・インフォマティクスへの応用が期待されます。
解析・利用例のポイント
- 機械学習による物性予測モデルの作成、転移学習およびシミュレーションとの連携事例
- 材料特性の高精度予測
- 転移学習を利用した学習モデルの改善
機械学習による物性予測モデルの作成、転移学習およびシミュレーションとの連携事例
沸点に関する機械学習モデルの予測値と実測値の相関を示しています。GCNを用いたモデルは、トレーニングデータ・テストデータともに高い相関を示し、信頼性の高い予測が可能であることが確認されました。

沸点についての機械学習モデルの結果
熱特性の評価
新たな化合物に対する沸点予測値と実測値の比較です。2種類の化合物に対して予測を行い、いずれも実測値と良好な一致を示しています。

新たな化合物についての予測値と実測値の比較
光学特性の評価
文献から658件の屈折率データを用いて学習モデルを構築し、炭化水素系化合物で良好な予測精度を得ました。一方、ケイ素系化合物では誤差が大きかったため、28件の追加データで転移学習を行い、予測精度を大幅に改善しました。転移学習により、少量のデータで効率的にモデルを強化できました。

転移学習を利用した学習結果
参考文献
- https://www.wakayama-kg.jp/docs/keisankagaku-jirei-12.pdf
- https://www.wakayama-kg.jp/docs/keisankagaku-jirei-16.pdf, https://www.wakayama-kg.jp/docs/keisankagaku-jirei-17.pdf
- J-OCTA特別講演会 「マテリアルズインフォマティクスによる材料開発のご紹介」 〜 機械学習による予測モデル作成と逆解析による分子構造の予測 〜 講演資料(和歌山県工業技術センター)
- データ駆動型材料設計技術利用推進コンソーシアム 電子部品材料DPF