粗視化モデルによる脂質膜の解析
Martiniモデルを用いた粗視化分子動力学(Coarse-Grained MD)により、脂質二重膜やLNP(脂質ナノ粒子)の構造をモデリングできます。膜厚や密度、構造安定性などを評価し、ドラッグデリバリーシステムの設計に有用な知見を得ることが可能です。
解析・利用例のポイント
- Martiniモデルを用いた脂質分子のモデリング
- 脂質ナノ粒子などの構造を簡便に作成可能
Martiniモデルを用いた脂質分子のモデリング
リン脂質DPPCとコレステロールからなる平面二重膜の粗視化モデルを示しています。Martiniモデルにより、脂質分子の自己集合による膜構造が再現されており、膜厚や密度などの評価が可能です。

DPPC-CHOLからなる脂質二重膜の粗視化(Martini)モデル
脂質ナノ粒子などの構造を簡便に作成可能
DPPC、DOPC、コレステロールから構成される直径約2nmのLNP(脂質ナノ粒子)のモデルです。球状の脂質二重膜構造を形成しており、DDS用途での構造安定性や分子包接能力の評価に活用できます。

LNPのMARTINIモデル
参考文献
- K. Tu, D.J. Tobias and M.L. Klein, Biophys Journal, 1995, 69, 2558 (https://doi.org/10.1016/S0006-3495(95)80126-8);
S. Seo and W. Shinoda, J. Chem. Theor. Comp., 2019, 15, 762 (https://doi.org/10.1021/acs.jctc.8b00987) - S.J. Marrink, et al., J. Phys. Chem. B, 2007, 111, 7812 (https://doi.org/10.1021/jp071097f)
- Y. Wang et al., BBA-Biomembranes, 2016, 1858, 2846 (https://doi.org/10.1016/j.bbamem.2016.08.005)
解析内容の詳細