医療画像の自動セグメンテーションツール
医工連携分野で用いられる人体の部位はすべて接続されているため、CTなどで取得したデータから、研究に必要なパーツに分離(セグメンテーション)する必要があります。比較的簡単に分離できる部位もありますが、セグメンテーション作業に時間がかかる場合も珍しくありません。
そこで、3次元画像から高品質なメッシュやCADデータを生成する高機能イメージデータプロセッシングソフトウェア「SimplewareTM Software」に新たに搭載された、医療画像の自動セグメンテーション用オプションモジュール「AS Ortho」と「AS Cardio」のリリースをお知らせいたします。
AS OrthoとAS Cardioの特徴
- 機械学習(ML)アルゴリズムを使用した人工知能(AI)テクノロジーを搭載
- 医工連携の研究開発のための時間とコストを節約する、スケーラブルなソリューション
- アルゴリズムの構築の際には、医療データセットからの数百時間に及ぶトレーニングを実施し、臨床専門家によるチェックも施すことで、信頼性の高い一貫した結果を保証
- セグメント化された画像データの自動ランドマーク生成のための機能追加
MRIおよびCTなどの医用画像セグメンテーションを実行するプロセスでは、画像データの品質により重要な関心領域の特定が困難になることや、CAEソフトや3Dプリントなどのアプリケーションにエクスポートする前に手作業による修正作業が必要になる場合があります。
自動化ツールの利用により、医療画像から迅速なモデル化を実現、バイオメカニクス研究や医工連携業務のワークフローを劇的に合理化し、研究や分析のための時間を確保することができます。
AS Orthoオプションモジュール
Simpleware AS Orthoは、膝と股関節を含むアプリケーション用に特別に設計されています。股関節モデルは左右の大腿骨、股関節、および仙骨を抽出し別パーツに自動で分離でき、大転子と小転子、恥骨結節、前部および後部上腸骨棘、および尾骨を含む医学的ランドマークも生成可能です。膝モデルは大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨および選択した軟骨を抽出し別パーツに自動で分離でき、大腿骨上顆、脛骨顆、脛骨顆間のランドマークも生成可能です。
AS Cardioオプションモジュール
Simpleware AS Cardioは、心血管アプリケーション向けに特別に設計されています。左右の心房と心室、大動脈、肺動脈と心筋を抽出し別パーツに自動で分離でき、大動脈や左心室にランドマークを生成することが可能です。ユーザーの操作なしで、血管は自動的にトリミングされ心血管領域に整えられます。
研究や分析のための時間を確保
Simpleware ScanIPソフトウェアプラットフォームに新たに組み込まれた「AS Ortho」モジュールと「AS Cardioモジュールをご紹介しました。これらの新オプションモジュールは、機械学習(ML)アルゴリズムを使用した人工知能(AI)テクノロジーを搭載しています。確立された医療画像セグメンテーション機能に基づいて構築されており、腰と膝、心臓の手動セグメンテーションに関する従来のボトルネックを大幅に削減します。これらの自動セグメンテーションツールを使用すると、セグメンテーションの速度が20~50倍速くなります。つまり、以前は面倒だった作業が完全に削減または排除され、分析とイノベーションのためのエンジニアリング時間を確保できます。
3次元画像から高品質なメッシュやCADデータを生成する高機能イメージデータプロセッシングソフトウェア「Simpleware Software」およびAS Orthoモジュール、AS Cardioモジュールに関するご質問や詳しい情報はこちらからお問い合わせください。
- ※ 株式会社JSOLはSimpleware Softwareの正規代理店です。
- ※ Simpleware Software の開発元は、Synopsys, Inc.(米国)です。
- ※ 記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。
この記事の関連情報
技術ブログカテゴリ
新着記事
- 形状設計フェーズでの組み立て精度向上によるコスト削減
~ 組み立てCE検討ツールのご紹介 ~ - JSOLが考える「溶接シミュレーションと工場デジタルツインが実現する工程設計」について講演しました
- リアルワールドの自動車衝突安全に向けて
- 機械学習で加速する材料シミュレーション技術
- ノウハウ不要!樹脂の複雑な材料特性を簡単にフィッティング 〜 材料同定ツールと高精度ユーザーサブルーチンの活用事例 〜
- 樹脂材やゴム材の高精度予測に向けたパラメータ同定
- データ活用からナレッジ活用へ ~ モードによる評価と履歴データの活用 ~(後編)
- データ活用からナレッジ活用へ ~ モードによる評価と履歴データの活用 ~(前編)
- 製造業におけるマテリアルズ・インフォマティクス
- 医療機器開発にも導入が進むシミュレーション技術の今
