CAEが普及したことで、モノづくりのプロセスの中で製品の性能を確認するために試作して試験するだけでなく、CAEを用いてデジタルで評価することが日常的に行われるようになりました。とくに製品の強度、剛性といった性能を確かめる構造解析はその取り組みが広く普及しています。
専任者向けCAEの課題
「開発中の製品は性能を担保しているのか」モノづくりの現場では、設計者からの多くの解析依頼が寄せられていると思います。解析依頼を受け持つCAE専任者の中には、設計者との日々のやり取りで業務がひっ迫している方も多いのではないでしょうか。
強度や剛性の評価に広くご利用いただいているAnsys LS-DYNAも、高機能かつ高精度という大きな強みを持つ反面、形状変更にともなう設計サイクルを反復する設計初期段階においては不自由に感じる場面があります。それは条件がメッシュに付随していることで、形状を変えるたびに条件設定を最初からやり直さなければいけないことに起因しています。
設計者向けCAEによる工数低減
初心者でも短時間に使いこなせるCAEは設計者向けに紹介される場面が多いと思いますが、JSOLではCAE専任者にもお勧めできると考えています。
Ansys Discoveryでは、メッシュではなくCAD面に境界条件を付与できるので、ダイレクトモデリングによる形状変更や形状違いの検討を素早く実施することが可能です。 また、特定の部品寸法をパラメトリックに形状変更した際の多数の組合せ解析から、応力や変形の最大/最小の傾向把握を簡単に、素早く実施することが可能です。インバータの冷却流路検討を例に挙げると、流路幅やチャンバー数の組合せた100ケースの実行でも30分程度で終了するので、設計のスクリーニングにも活用いただけます。
下図はギアハウジングの固有値解析結果です。解析精度は同程度なのに対し、解析時間は約1/5と、大幅な時間短縮を実現しています。
Ansys Discoveryは、固有値解析以外にも剛性解析や熱解析において、大幅な工数低減効果が期待できます。
| 所要コスト | Ansys LS-DYNA | Ansys Discovery |
| 計算機資源 |
4CPU IntelKsup® Xeon® CPU E5-2697A v4 @ 2.60GHz |
GPU NVIDIA T1000 |
| メッシュ生成時間 | 120秒 | 20秒 |
| 条件設定時間 | 5分 | 2分 |
| 解析時間 | 25分 | 5分 |
Ansys LS-DYNAのサブツールとして
Ansys Discoveryは、Ansys LS-DYNAのサブツールとして、検討数の多い線形解析にご活用いただくととくに効果的です。また、線形領域の解析に特化したことで、汎用的なAnsys LS-DYNAと比べてユーザーインターフェースが非常に使いやすく、CAE専任者の方なら数十分で使いこなすことが可能です。
無償トライアル も可能です。ぜひ、その実力を体験してみてください。
また、ユーザー様に限らずどなたでも無償にてご参加いただける Ansys体験セミナーを用意しております。 ご興味ある方はぜひ、こちら の申込窓口からお申込みください。
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