マルチスケールシミュレーション・ソフトウェア

J-OCTA

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シミュレーション
ガラス転移温度
Tg
分子動力学
冷却計算

ガラス転移温度評価

全原子分子動力学(Full-Atomistic MD)により、ポリマーのガラス転移温度(Tg)を評価しました。高温から温度を段階的に下げるクエンチ(冷却)操作により、比容積の変化を追跡し、グラフの屈曲点からTgを算出しました。複数ポリマーで実施し、実験値との比較を行いました。
解析・利用例のポイント
  • クエンチ計算による比容積の変化を解析
  • 比容積変化の屈曲点からガラス転移温度を評価
  • 物質ごとのTgの実験値との比較

アモルファス構造の作成

全原子モデルに近いユナイテッドアトムモデル(United Atom:水素原子を省略するモデル)を用いて、J-OCTAのアモルファス構造作成機により各高分子のアモルファス構造を作成しました。得られた構造に対して、温度を徐々に変化させた計算を連続的に実施します。

ポリカーボネートのアモルファス構造

比容積変化の屈曲点からガラス転移温度を評価

例として、温度変化に伴うポリエチレンの比容積(密度の逆数)の変化を示します。グラフ上で屈曲点が明確に現れており、この時の温度をガラス転移温度として評価します。

ポリエチレンの比容積変化

物質ごとのTgの実験値との比較

ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)のTgを算出後、実験値と比較しました。実験と比較するとクエンチ速度が高速のため、Tgは高めに評価されていますが、物質の違いによる傾向は実験と一致しており、定性的評価が可能であることが示されています。

物質ごとのTgの比較
参考文献
  1. Polyinfoデータベースより抜粋
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