樹脂 複屈折のためのマルチスケールシミュレーション
光学樹脂の複屈折現象を対象に、第一原理計算・分子動力学・レプテーションダイナミクス・樹脂流動解析を組み合わせたマルチスケールシミュレーションを紹介します。分子構造から固有複屈折率を予測し、成形時の応力や配向状態を考慮することで、光学特性の高精度な評価と材料設計への応用を可能にします。
解析・利用例のポイント
- Moldex3DとJ-OCTAによる樹脂の複屈折評価
- MDを利用した分子構造と複屈折の関係
- ミクロとマクロの連携解析
Moldex3DとJ-OCTAによる樹脂の複屈折評価
第一原理計算(SIESTA)を用いて分子構造から固有複屈折率を予測する様子が示されています。電子状態に基づき、分子の光学特性を定量的に評価します。

第一原理計算による固有複屈折率予測
MDを利用した分子構造と複屈折の関係
分子動力学法(J-OCTA)によるポリマーの一軸伸長計算から、配向状態を求めて配向複屈折を予測する様子が示されています。

分子動力学法による配向複屈折予測
ミクロとマクロの連携解析
樹脂流動解析ソフトウェアMoldex3Dでは射出成形工程に起因する干渉縞や屈折率分布の可視化が可能です。Moldex3Dで得られた局所的な応力値の情報を上述の分子シミュレーションに渡すことで、ミクロな分子描像(分子の配向やそれに伴う複屈折など)の情報が得られ、新たな材料設計につなげることができます。

縞次数とフリンジパターン
解析内容の詳細