粗視化分子動力学を用いた複屈折の解析
粗視化分子動力学(Coarse-Grained MD)とリバースマッピングを組み合わせて、ポリマーの複屈折特性を解析しました。分子配向と光学異方性の関係を明らかにし、光学材料の設計や評価において有効な解析手法であることが示されました。
解析・利用例のポイント
- 粗視化分子動力学とリバースマップ技術を用いて複屈折を評価
- 全原子MDでは困難な遅い変形速度での解析
粗視化分子動力学とリバースマップ技術を用いて複屈折を評価
粗視化MDによる一軸伸長のスナップショット(上)と、リバースマッピングによって得られた全原子構造(下)を示しています。粗視化モデルで得られた構造を全原子レベルに変換することで、光学特性の詳細な評価が可能になります。

(上)粗視化MDを用いた一軸伸長計算のスナップショット(下)粗視化MDの結果から全原子MDにリバースマップした構造
全原子MDでは困難な遅い変形速度での解析
変形速度の違いによる複屈折の変化を示しています。全原子MDでは変形速度が速く、過剰な配向が生じやすいのに対し、CGMDではより緩やかな変形が可能で、実験値に近い複屈折値が得られています。

一軸伸長による複屈折の変化(全原子MDと粗視化MDの比較)
参考文献
- 光学特性評価
- 樹脂 複屈折のためのマルチスケールシミュレーション
- 高分子論文集, 51, pp237-243, (1994)
解析内容の詳細