タイヤの耐摩耗性の向上 [住友ゴム工業株式会社様]
スーパーコンピュータ上で大規模な粗視化分子動力学(Coarse-Grained MD)計算を実施して、ゴム材料の破壊プロセスを解析しました。タイヤの摩耗メカニズムの理解と実際の材料設計に応用されました。
解析・利用例のポイント
- スーパーコンピュータ上での粗視化MDによるゴム材料の破壊プロセス
- 実際の製品開発での実績
- 界面での剥離現象を評価
スーパーコンピュータ上での粗視化MDによるゴム材料の破壊プロセス
実物を再現するように作成されたゴム材料中のシリカ凝集体の分散構造(一辺350nm)と、粗視化MDによる変形後の状態を示しています。界面での剥離やゴム中のボイドの発生が確認され、破壊の起点となる構造が可視化されています。

シリカ凝集体の周辺に剥離、ゴム中にボイドが生じている。
実際の製品開発での実績
本解析を基に開発された耐摩耗性コンセプトタイヤの写真です。解析結果を設計に反映することで、実際の製品開発に貢献し、Tire Technology Awards 2017を受賞する成果につながりました。

実際に開発されたコンセプトタイヤ。Tire Technology Awards 2017を受賞。
参考文献
- https://www.srigroup.co.jp/english/newsrelease/2015/2015_130.html
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu/89/6/89_176/_pdf/-char/ja
解析内容の詳細