DPDによる界面張力の評価
散逸粒子動力学(DPD)を用いて、水とオクタンの界面モデルの計算を実施しました。全原子分子動力学から得た各成分の溶解度パラメータ(SP値)をもとにFlory-Huggins χパラメータを推算して、DPDの相互作用パラメータを設定しました。最終的に得られた各方向の応力値から界面張力を評価したところ、実験値と良好な一致を示しました。
解析・利用例のポイント
- DPDによる界面張力の評価
- 溶解度パラメータから相互作用パラメータを決定
- 実験値との一致
界面モデルの構築
水3000個、オクタン1000個のDPD粒子で界面を形成しました。上部が水、下部がオクタンの領域で、緩和後も界面が維持されています。J-OCTAのモデリング機能を用いることで、界面モデルは簡単に構築できます。
水とオクタンの界面モデル
界面張力の評価と実験との比較
各方向の応力値から界面張力を算出しました。時間変化を追跡し、平均値は50.1 [dyn/cm]と評価され、実験値51.7[dyn/cm]と良好な一致を示しました。
界面張力の時間変化
相互作用を変化させた際の界面張力変化
DPD計算の粒子間相互作用パラメータaijを変化させて界面張力を評価しました。DPDでの相互作用は斥力を意味するため、相互作用が強くなると界面張力も増加する傾向が確認されました。
界面張力と相互作用aijの関係
参考文献
- A.Maiti and S. McGrother, J. Chem. Phys., 120, 3, 15 (2004)
解析内容の詳細

