カーボンナノチューブの分散構造と非線形構造解析
ブロック共重合体中のミクロ相分離構造におけるカーボンナノチューブ(CNT)の分散を散逸粒子動力学(DPD)でシミュレーションし、得られた構造をメッシュ化してAnsys LS-DYNAによる非線形有限要素法を用いて一軸伸長解析を実施しました。界面剥離からポリマー領域への応力伝搬を捉え、分散構造が力学特性に与える影響を評価しました。
解析・利用例のポイント
- DPDによる分散構造の評価
- Ansys LS-DYNAによる構造解析
- 界面剥離と応力伝搬の観察
DPDによる相分離とCNTの分散構造
DPDを用いてジブロック共重合体の相分離とカーボンナノチューブ(CNT)の分散構造を計算しました。CNTは一つの成分と親和性が高くなるように設定され、剛直性を持たせたモデルで分散挙動を解析しました。

ジブロック共重合体の相分離とCNTの分散構造
メッシュ化された分散構造
DPDの計算結果をもとにCNTとポリマーの分散構造を2Dメッシュ化しました。界面に薄い要素(Cohesive要素)を設定し、FEM解析で界面パラメータを調整可能にしました。

2次元メッシュデータ
非線形有限要素法よる変形解析
Ansys LS-DYNAを用いた非線形有限要素法(構造解析)による一軸伸長解析を実施して、界面剥離や応力伝搬の様子を捉え、CNTの分散構造が応力-ひずみ特性に与える影響を明らかにしました。

変形時の応力分布
参考文献
- Appl. Phys. Lett., 90, 033116, (2007)
- 小沢、第17回計算工学講演会 (2012)
解析内容の詳細