MDおよびMO/DFTを用いた比誘電率の評価
分子動力学(MD)と量子化学計算(MO/DFT)を用いて、ベンゼン・アセトン・PVCなどの比誘電率を評価しました。MDでは双極子モーメントの時間揺らぎから配向分極を、MO/DFTでは分極率から電子分極を算出しました。実験値との比較により、分子構造に応じた誘電率の寄与を明らかにします。
解析・利用例のポイント
- 様々な分子の比誘電率の評価
- 誘電率の起源について理解可能な解析
- ポリマーへの適用可能性
様々な分子の比誘電率の評価
ベンゼンとアセトンの解析モデルが示されています。MDおよびMO/DFTを用いて比誘電率の評価を行うための構造が視覚的に示されています。

解析モデル(左:ベンゼン、右:アセトン)
誘電率の起源について理解可能な解析
ベンゼンとアセトンに対してMOとMDによって算出された比誘電率の結果が示されています。MDはOPLS力場を用い、MOはGaussianによる分子分極率を使用しています。

比誘電率計算結果
ポリマーへの適用可能性
PVCポリマーの比誘電率をMDおよびQSPRにより評価した解析モデルが示されています。MDでは100分子系を用い、QSPRでは密度から推算しています。

解析モデル(PVC)
参考文献
- J.Bicerano, Prediction of Polymer Properties, 3rd Ed. Marcel Dekker, 2002
- J. Chem. Eng. Data 2018, 63, 5, 1170