粘弾性マスターカーブの作成
J-OCTAには、シミュレーション結果として得られる緩和弾性率データから粘弾性マスターカーブを計算する手法が複数搭載されています。ここではi-Rheo GTを用いて分子動力学の結果からG'およびG''を算出し、時間-温度換算則を適用して広範な周波数領域の特性を取得しました。検証として粘弾性固体や、ポリマーの粗視化MDの結果へ適用し、理論値ともよい一致が得られました。i-Rheo GTはGUI上から容易に操作することができ、ポリマー材料の粘弾性特性の把握や設計に有効な手段です。
解析・利用例のポイント
- 緩和弾性率を動的弾性率に変換
- 種々の材料の解析に適用可能
- 実験結果の解析としても有用
緩和弾性率を動的弾性率に変換
粘弾性固体に対してi-Rheo GT手法を適用した結果が示されています。理論モデルに基づく材料を用いており、FFTでは低周波での誤差が見られる一方、i-Rheo GTは理論解と良好に一致しています。

粘弾性固体への適用
種々の材料の解析に適用可能
粗視化MD(Kremer-Grestモデル)で得られた緩和弾性率G(t)を用いて粘弾性マスターカーブを評価した結果が示されています。FFTとi-Rheo GTの結果がよく一致しており、手法の有効性が確認できます。

粗視化MDで得られた緩和弾性率を用いた粘弾性マスターカーブの評価
実験結果の解析としても有用
i-Rheo GTとJ-OCTAの連携概要が示されています。J-OCTAのシミュレーション結果をi-Rheo GTに渡すことで、粘弾性特性の迅速な評価が可能となる連携フローが視覚的に説明されています。

i-Rheo GTとJ-OCTAの連携概要図
参考文献
- M. Tassieri, et al., Macromolecules 51, 14, 5055-5068 (2018)
- M. Tassieri, et al., Journal of Rheology 60, 649 (2016) (2016's most read article in the Journal of Rheology)
解析内容の詳細
関連情報