懸濁液の粘度評価
粒子法(MPS)を用いて、懸濁液中のフィラー分散系の粘度を評価しました。フィラー濃度や分散状態が粘度に与える影響を解析し、スラリー設計や塗工プロセスの最適化に貢献。流体中の粒子間相互作用を考慮した解析により、実験と整合する粘度挙動を再現しました。
解析・利用例のポイント
- 粒子法(MPS)を用いたフィラー分散系の流体解析により粘度を評価
- フィラーの体積分率の影響を解析可能
粒子法(MPS)を用いたフィラー分散系の流体解析により粘度を評価
VSOP-PSを用いた懸濁液の計算モデルを示しています。左側は複数の粒子で構成された固体微粒子を用いたミクロモデル、右側は1粒子で表現されたメソモデルです。ミクロモデルは粒子形状の詳細な再現が可能で、メソモデルは多数の粒子を含む系の計算に適しています。これにより、粒子形状や分布が粘度に与える影響を評価できます。

VSOP-PSを用いた懸濁液の計算(ミクロモデル)
フィラーの体積分率の影響を解析可能
固体微粒子の体積分率と懸濁液の粘度の関係を示したグラフです。VSOP-PSによるミクロモデルとメソモデルの結果は、特に高濃度領域でThomasモデルと良好に一致しており、粒子法による粘度評価の妥当性が確認されています。

懸濁液の粘度と固体微粒子の体積分率の関係