フィラー樹脂複合材料の熱伝導率計算
粒子法エンジンVSOP-PSを用いて、フィラー樹脂複合材料の熱伝導率を解析しました。高密度充填構造におけるフィラーの体積分率と有効熱伝導率の関係を評価し、Bruggemanの近似式と比較して良好な一致を示しました。電子機器の放熱設計における材料選定に有用です。
解析・利用例のポイント
- 粒子法を用いた熱伝導計算
- 体積分率が熱特性に与える影響の解析
粒子法を用いた熱伝導計算
フィラーと樹脂粒子を高密度に充填した構造モデルを示しています。モデルの両端に熱源層を設け、その間にフィラーと樹脂を配置しています。フィラーは複数粒子を結合して構成され、樹脂は単一粒子で表現されています。この構造を用いて、温度勾配と粒子層の厚さからフーリエの法則に基づき有効熱伝導率を計算します。

高密度充填構造
体積分率が熱特性に与える影響の解析
フィラーの体積分率と有効熱伝導率の関係を示したグラフです。粒子法(VSOP-PS)による計算結果は、Bruggemanの近似式と良好に一致しており、モデルの妥当性が確認されています。1点あたりの計算時間は約30分で、粒子数は約2万個です。

フィラーの体積分率と有効熱伝導率の関係
参考文献
- Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan 14, 429-436 (2007)
解析内容の詳細