CAE Technical Library 注目機能紹介 - CAE技術情報ライブラリ
MatchIDはカメラのキャリブレーションから画像の取得はもちろんのこと、取得した画像の分析、CAEの結果とMatchIDから得られたひずみや応力の結果の比較、材料パラメータの同定など、さまざまなモジュールを備えたDIC(デジタル画像相関法)ソフトウェアです。
MatchIDで以下のようなDICデータの活用方法が期待できます。
- ✔ひずみ算出に関わるパラメータを分析して、実機現象により近いひずみ分布を検討したい
- ✔DICデータからCAEに挿入できる材料パラメータを算出したい
今回は、上記の活用方法に関わる2つのMatchIDのモジュールをご紹介します。
画像データから変位、ひずみの変換を分析 〜Performance Analysis〜
多くのDICソフトウェアでは指定するサブセットやステップ サイズによって算出される変位量が異なります。また、算出された変位量からひずみが導出されますが、その際に形状関数やストレインウィンドウの次数を適切に選択する必要があります。これらの変位算出およびひずみ導出に用いられるパラメータはDICソフトウェア内でブラックボックス化している場合もあり、値の妥当性検証は容易ではありません。
MatchIDでは、変位算出およびひずみ導出に関わるパラメータを分析することができるため、値の妥当性を検証し、より実機に近いひずみ分布を得ることが可能です。パラメータ分析を行うことで、MatchIDで得られたひずみ分布の分析はもちろん、MatchIDで得られたひずみ分布や応力分布とCAEの結果との比較、精度の検証をより納得感を持って進めることができます。この分析は特に高いひずみ勾配を有する試験で重要になります。
また、並列処理で実行できるため、瞬時にチャートが生成され素早く分析を開始できます。
図1. 変位算出およびひずみ導出に関わるパラメータの並列計算
図2. 導出されたひずみのパラメータ分析
材料パラメータの同定 〜Virtual Fields Method〜
MatchIDではVirtual Fields Method(VFM)という仮想仕事の原理を用いて、試験で取得した画像データと荷重条件、境界条件などを定義することで材料パラメータを同定することができます。さまざまな材料モデルが用意されており、CAEの材料パラメータの入力値としてご活用いただけます。
図3. 同定する材料モデルの選択画面
終わりに
今回掲載しきれなかったMatchIDのモジュールは今後のCAE技術情報ライブラリでご紹介する予定です。
MatchIDについてご興味のある方は、是非こちらからお問い合わせください。