J-SEATdesignerの機能
スレッド解析モデルを自動アセンブリ
解析ケースはデータベースで一元管理
J-SEATdesignerには、スレッド解析を行う解析者のモデル作成工数を大幅に軽減する、様々な機能が備わっています。多岐にわたる解析ケースをモデルファイルと共にデータベースで管理し、ユーザーフレンドリーなGUIで確認することができます。様々な法規/アセスメントに従ったダミーモデルや境界条件もデータベースから呼び出して組み合わせることができるため、ユーザーが個別に数値を入力する必要がありません。解析モデルは、アセンブリ情報定義ファイルにより定義された解析ケースに従って、J-SEATdesignerの自動アセンブリ機能により構築され、LS-DYNAインプットファイルで出力されます。さらに、Hポイントの計測や着座解析などのプリシミュレーションを行うこともできます。
主な機能
モデルとアセンブリ情報のデータベース管理
自動車衝突解析を実行する際には、様々なアセスメントに対応したダミーと境界条件の組み合わせを管理する必要があります。J-SEATdesignerでは、オブジェクト指向リレーショナルデータベースと連携して、解析モデルと、自動アセンブリに必要な関連情報を管理することができます。データベースへは専用GUIによりアクセス可能であり、モデルの呼び出し、自動アセンブリ用情報の追加、削除、リネーム、新規登録などの操作を行うことができます。
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- データベースアクセス機能
- J-SEATdesignerでは、オブジェクト指向リレーショナルデータベースを利用して、解析モデルと関連情報を独立して管理し、様々に組み合わせて利用することができます。データベースへは専用GUIによりアクセスでき、モデルの呼び出し、自動アセンブリ用情報の追加、削除、リネーム、新規登録などの操作を行うことができます。
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- 自動アセンブリ情報の追加
- データベースに登録されているダミーモデルに対して、自動アセンブリの情報を追加することができます。情報の内容としては、正面方向(+X / -X)、ダミーの種類、接触定義用パートセット、ベルトリフィット用パートセット、ポジショニング用ツリー定義などがあります。
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- 既存環境に応じたシステム構築
- データベースサーバーは、クライアントWS内に持つことも、独立したサーバーを利用することもできます。更に、モデルを格納したファイルサーバーが独立していてもかまいません。既存のユーザー環境に応じた柔軟なシステム構築が可能です。
自動モデルアセンブリ
あらかじめ作成したアセンブリ情報定義ファイルを呼び出すことで、データベースからのモデルの読み込み、各モデルの位置合わせ、接触/結合条件の定義、ダミーやシートのポジショニング、シートベルトフィッティング、プリシミュレーション結果の取り込みなどを自動的に行うことができます。アセンブリされたモデルは、LS-DYNA解析用インプットファイル形式で出力されます。
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- 必要なモデルの読み込み
- アセンブリ情報定義ファイルに記載したモデルを、データベースから自動的に呼び出します。
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- 位置合わせ、接触/結合定義
- アセンブリ情報定義ファイルの情報に基づいて、モデルを自動的に位置合わせします。また、ファイル内で指定した接触や結合の条件が、自動的に定義されます。
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- ダミーポジショニング
- アセンブリ情報定義ファイルに記載した目標点を自動認識して、ダミーをポジショニングします。ユーザーは、ポジショニングスイッチをONにするだけです。
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- シートポジショニング
- シートの角度や位置を入力してスイッチをONにすると、シートに定義されたメカニズム機構に基づいて、自動的にポジショニングが行われます。
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- シートベルトフィッティング
- シートとダミーをポジショニングした後でスイッチをONにすると、自動的にシートベルトフィッティングが行われます。
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- 着座解析結果の取り込み
- データベースに登録した着座解析結果を取り込むことができます。
アセンブリ情報定義ファイル作成のためのインターフェイス
自動モデルアセンブリに使用する「アセンブリ情報定義ファイル」は、ARUP software PRIMERのGUIを元に開発した、J-SEATdesignerオリジナルのGUIで作成できます。専用GUIは、プロジェクト管理パネル、ツールキットパネル、データベース管理パネルなどから構成されており、多岐にわたる車体モデルや法規/アセスメント、解析ケースに対応が必要な設計技術者、解析技術者を支援します。
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- プロジェクト管理パネル
- J-SEATdesignerのプロジェクト管理パネルでは、ツリー構造表示により、各解析ケースの法規/試験形態/プリシミュレーションの有無をひと目で確認することができます。解析ケースのコピー/削除/リネームなどの操作や、LS-DYNA解析および自動アセンブリの実行も、このパネルから行います。
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- 法規/アセスメント規定の自動設定
- 管理パネルで指定した法規/アセスメントに基づいて、ダミー/境界条件/コントロールカードを自動的に設定します。指定法規を変更すれば、対応するダミーモデルや境界条件に、自動的に修正されます。
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- 解析ケース設定
- 新規に解析ケースを作成する場合は、解析モデルの結合、接触、ポジショニングなどの条件を管理パネルから設定していきます。同じような解析を複数行う場合には、既存の解析ケースをコピーして、異なる部分だけを修正して利用することができます。
プリシミュレーション用モデル作成機能
自動車衝突解析では、Hポイント計測解析や着座解析など、衝突解析に先立ってプリシミュレーションが必要になる場合があります。こうした解析の一部は、J-SEATdesigner内からの操作で行うことができます。シミュレーション結果は同じインターフェイス上で取り込むことができ、そのままモデル作成に進めるので、効率よく作業を進められます。
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- Hポイント計測解析
- J-SETAdesignerには、Arup H-Point manikin(HPM)が付属しています。SAE、ECE、保安基準などの法規に対応しており、HPMを自動セッティングして、LS-DYNAにより載荷時の変形を解析します。解析結果からHポイント座標、トルソー角が表示され、ポジショニングの設定に用いることができます。
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- 着座解析
- ダミーを剛体化してHポイントへ移動し、解析モデルを自動的に作成します。また、シートフォームやフレームのどの部分を変形体とするのかをあらかじめデータベースに登録しておくことができます。解析には、ARUP software PRIMERの機能を用いるか、あるいはLS-DYNAを呼び出して解析するか、ユーザーが選択できます。
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- THUMS ポジショニング
- ARUP software PRIMERの解析ベースポジショニング機能を利用して、THUMS(FE人体モデル)のポジショニングを行います。ポジショニング用ケーブル定義は自動設定され、ユーザーはケーブル接続点と牽引力を入力します。設定後にLS-DYNAの入力ファイルを出力し、解析を行って、結果ファイルから節点座標を取り込みます。
- ※ LS-DYNAを用いたプリシミュレーションの実行には、別途LS-DYNAのライセンスが必要です。
動作環境
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- ※ J-SEATdesignerの稼働には、別途 ARUP software PRIMERのライセンスが必要です。
- ※ 利用する機能により、ARUP software D3PLOTあるいはLS-DYNAのライセンスが必要となります。
- ※記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。