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2012.06.01

Moldex3D R11 流体アシスト射出成形と成形機インタフェース

カテゴリー
: 生産技術解析
関連製品
Moldex3D

1970年代に発明された流体アシスト射出成形(WAIM: Water-Assisted Injection Molding)は、標準的手法を越えた特別な射出成形手法で、ガスアシスト射出成形(GAIM: Gas-Assisted Injection Molding)から発想され、開発されました。両技術とも、樹脂材料コストの低減と品質向上が目的ですが、WAIMは、GAIMと比べて、肉厚が均一であること、サイクルタイムの短いこと、低コストであることなどで上回っています。

WAIMは、材料コストと製品品質向上にも効力がありますが、追加のコストを要したり、成形条件が簡単ではなかったりと、まだまだ、たくさんの課題があります。 よくある問題としては、フィンガリングの影響、ガス貫通、表面光沢、ヘジティション跡、スイッチオーバー跡、そして繊維露出などがあります。 この様に大変複雑な成形手法ですので、製品品質をクリアするまでには、多数ののトライアルを必要とします。

図1 左:チューブ例(黄色部分がオーバーフロー) 右:水とメルトフロント 図1 左:チューブ例(黄色部分がオーバーフロー) 右:水とメルトフロント

Moldex3DのWAIMモジュールを使用すると、流入浸透の動きを三次元で予測し、発生する可能性のある問題点を金型作成のより前の段階で予測し、設計変更を行うことで納期短縮とコストの低減が可能です。WAIMに関するさらに詳細な情報、事例は、www.moldex3d.com をご参照ください。

次のトピックスとして、成形機インタフェースについてご説明します。 Moldex3D R11では、実際の成形機での成形条件設定画面に基づいた条件設定が可能な成形機モードが開発されました。 この機能を使用してユーザーは、簡単に成形条件設定を行えるようになりました。 下記図2が示しているのは、Moldex3Dの圧力履歴曲線ですが、実際の成形機の反応値とほぼ同一値を示しているのが見ていただけます。

図2 実成形機の反応とMoldex3Dの履歴曲線の結果 図2 実成形機の反応とMoldex3Dの履歴曲線の結果

秘訣とコツ

A. WAIM

Moldex3Dでは、新機能として表層肉厚分布の表示とオーバーフロー領域設定が追加されました。
表層肉厚分布:下記図3は、実製品の表層肉厚分布の状況です。

図3 左:表層肉厚のIcon 右:表層肉厚のサンプル結果 図3
左:表層肉厚のIcon 右:表層肉厚のサンプル結果

オーバーフロー領域設定

Moldex3D R11では、Moldex3D Mesh にて オーバーフロー領域の設定をサポートしています。こちらに、その設定方法を説明します。

1.オーバーフロー領域のソリッドメッシュを作成し、要素設定にて"オーバーフローソリッドメッシュ"として定義します。(図4参照)

図4 オーバーフロー領域の要素設定 図4 オーバーフロー領域の要素設定

2.ソリッドモデルのエキスポート

3.Moldex3Dにて上記モデルをインポートし、"充填/保圧"設定を開きます。"アドバンスト設定"にて、オーバーフローのオープン時間の設定を行います。例として、図5では、4秒間開く設定にしています。

図5 オーバーフロー時間設定画面 図5 オーバーフロー時間設定画面

B. 成形機インタフェース

Moldex3Dでの成形機モードは、下記のように4ステップだけで簡単に設定できます。

  • 成形機モード2 を プロジェクト設定タブ にて選択
  • 使用する成形機を成形機DBから任意に選択 (例では、Nissei Machine)
  • 機械インタフェースをクリック
  • 充填/保圧設定ページにて、成形機インタフェースを起動

図6 成形機モード設定画面 図6 成形機モード設定画面

インタフェース画面(図7)が開いた後、成形条件設定作業は、実成形機とまったく同じ画面で操作可能で、容易にMoldex3Dでの成形条件設定と実成形機成形条件の照し合せが可能です。

図7 NISSEI 成形機のインタフェース画面(Moldex3D R11) 図7 NISSEI 成形機のインタフェース画面(Moldex3D R11)

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