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CAE Technical Library 橘サイバー研究室 - CAE技術情報ライブラリ

vol.01DYNAとの出会い

2008年2月6日

そう、もう20年も前のことになる。

サンフランシスコ東岸のベイフェアからリバモア研究所行きのバスに乗った。終点で降りて門を入っていくと様子がおかしい。もう一度門までもどると看板にはサンディア国立研究所とある。目的の場所は、道むかいだったのだ。

きょろきょろしながら構内を歩いていると、背の高い男が「何しに来た」と尋ねたので「ホルキストさんに会いに行く」と答えると「バッチステーションで鑑札をもらわないと殺されるかもしれない。案内する。」と親切に連れていってくれた。知らぬ内に裏門から入っていたのだ。

バッジステーションでホルキストさんを呼び出してもらう間、応対してくれた受付の二人の女性の写真を撮った。突然後ろからガードマンに掴まれたが、二人の女性が「こんなところ撮って何が悪い。何も隠すものはない。」とまくし立て、ホルダーに手を置いたままガードマンは引き下がった。

やがて、ブルーのTシャツを着たホルキストさんが現れた。ラッキョみたいな顔で今より痩せてはいたが、ニコニコ笑いながら口を真一文字に結んだ表情は当時も今も変わらない。

核融合炉の着脱部に用いる形状記憶合金(SMA)カップラーをNIKE2Dをベースとして新たな構成則を導入して解析していた私は、その発表のため旅の途中だった。

これからUCSDで機械学会名誉会長のライスナー教授に会ってから会場のアトランタに行くと告げると、UCSDには仲間のベンソンもいるので連絡しておくからと言い、ベンソンとの共著のDYNA3Dのマニュアルをくれた。

3日後、ベンソンに会った。なんと、ベンソンはライスナー教授の助教授だったのだ。赤い球で打ち抜かれた鉄板の破片が飛び散るポスターが貼られていたので、この絵は上手に描かれていると言ったら、これは絵ではなく、解析結果だと言われてしまった。

ライスナー教授はディスカッションの場としてノーベル賞の受賞記念室を用意しておいてくれたのには恐縮してしまった(写真参照)。

機械工学を選んだので、残念ながら、この連中の仲間になれなかったとぼやいていたが、その人間くささが私には好ましく思えたものだ。

昨年の夏、UCSDでベンソン教授に会ったところ、週の半分はLSTC社に出向いているとのこと。我々が現在進めている地球シミュレータを用いた耐震解析にも喜んで協力するとの返事だった。

ライスナー教授と
ライスナー教授と

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