[解析事例] Tube in Tube (三軸法) 試験によるシールドコネクタ特性推定
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シールドコネクタの遮へい性能をシミュレーションで評価
シールドコネクタの遮へい性能を、電波暗室ではなく普通の実験室で測定できる手段として、Tube in Tube 法試験の実施が自動車業界を中心に進んでいます。
この試験装置とコネクタを模したモデルを電磁界シミュレーションで解くことで、コネクタの遮蔽性能の試験結果を推定することができます。
解析モデル:試験装置 (チューブ) とコネクタの3次元形状を作成
内部管と外部管からなる Tube in Tube 法の試験装置のなかに、円筒状のシンプルなコネクタを取り付けた状態を模擬するシミュレーションモデルを、下図に示します。
シールドの内側に Port1 を、外側に Port2 を設定し、モーメント法の3次元電磁界解析を行うことで、コネクタから漏洩する電磁界を表す S21 や表面伝達インピーダンス (Surface Transfer Impedance) を得ることができます。
今回は 3種類のコネクタについて計算を行い、表面伝達インピーダンスを比較しました。
Tube in Tube 法試験の 3次元モデル
3種類のコネクタ
結果:コネクタの遮へい性能の比較
3種類のコネクタについて、表面伝達インピーダンスの計算結果を比較して示します。このように、シールドコネクタの形状などを変えたときの遮へい性能を、シミュレーションで比較することができます。
なお、表面伝達インピーダンスが大きいほど、ノイズが漏れやすいことを意味します。図の結果から、低周波では電磁界の漏れやすさはスリットの有無によらずコネクタシェルの厚みで決まること、100MHz 程度の高周波になるとスリットからの漏洩が支配的になることなど、興味深い傾向がわかります。
各コネクタの表面伝達インピーダンスの比較
最後に
シールドコネクタのシミュレーション方法には、今回用いたモーメント法(3次元電磁界解析)以外にも、等価回路を用いた手法など、いくつかのアイデアが考えられます。このテーマに関してご興味がありましたら、まずは弊社までお問い合わせください。ご状況や目的に応じて、適する計算方法を提案させていただきます。
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