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2009.09.01

ESV2009 参加報告

カテゴリー
: セミナー・イベント
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LS-DYNA / JSTAMP

はじめに

ESV(Enhanced Safety of Vehicle) は2年に1回開催される自動車安全に関する国際会議です。自動車の安全にかかわる構造設計や試験/計測技術、最新のアセスメントの動向などについて発表と議論が行われます。

今大会第21回会議が2009年6月15日〜6月18日の4日間に渡り、ドイツの自動車の中心地、シュツットガルトにおいて開催されました。当社も論文投稿を行い、会議に参加しましたので、ここにご報告いたします。

ESV開催概要

URL: http://www.esv2009.com/
日時: 2009年6月15日〜18日(4日間)
場所: ICS International Congress Center Stuttgart(シュツットガルト、ドイツ)

初日は、各国(EU含む)の最新の自動車事故統計や安全技術への取り組みに関する政府報告とパネルディスカッションが行われました。日本政府からも講演があり、「自動車法規の強化やJNCAPの導入などにより自動車事故による年間死亡者数は約5000まで減少させることに成功した。しかし、まだ深刻な数値であり減少率も横ばいになってきている。これをアクティブセイフティ技術の開発と導入により2015年にかけて死亡者数を半減させることを目標にする。」という積極的な内容でした。

2日目以降は並列セッションにより200以上の口頭発表が行われました。衝突時の車両構造設計や乗員傷害のセッションから生体モデル及びCAEモデルの開発などの計算科学にかかわるもの、歩行者保護技術など特定の領域に焦点を置いたセッションなど、多岐に渡って興味深い口頭発表が行われました。また、口頭発表以外にも多数の論文投稿があり、JSOLは歩行者保護技術セッション(Vulnerable Road Users: Pedestrian Safety)に、三菱自動車工業殿と共著でFlex-PLIのFEモデル開発に関する以下の論文を投稿しました。

Development of a New Flex-PLI LS-DYNA Model and Investigations of Injury from Vehicle Impact(Flex-PLI LS-DYNAモデルの開発と車両衝突における傷害値発生の分析)

自動車安全技術の第一線で働くメーカーや研究機関の技術者、研究者が多数参加しており、大変重要な会議であることが改めて認識されました。論文の技術レベルは高く、また口頭発表(15分程度)も内容が濃く聞き応えがあるものが多かった。

前突や側突など技術的にある程度確立された自動車衝突安全の分野については、コンパチビリティやWorldSIDダミーなど、より高いレベルの衝突安全技術が追求されています。また、フレキシブル脚部インパクタによる歩行者保護技術の開発、乗員むち打ち傷害低減技術、アクティブセイフティ技術(プリクラッシュセイフティ)など新しい技術開発が今後精力的に行われていきます。

次回ESVは2011年に米国ワシントンDCにおいて開催される予定です。

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