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2020年6月16日(火)〜6月18日(木)に開催された、SAE International主催「WCX Digital Summit」において、本田技研工業株式会社様および株式会社本田技術研究所様とJSOLの共著論文が優秀論文として選出されました。
タイトル:Anisotropic Material Damage Model of Randomly Oriented Thermoplastic Composites for Crash Simulation
著者:林誠次、菅満春、齊藤啓、西正人(Seiji Hayashi, Mitsuharu Kan, Kei Saito, Masato Nishi)
引用:Hayashi, S., Kan, M., Saito, K., and Nishi, M., “Anisotropic Material Damage Model of Randomly Oriented Thermoplastic Composites for Crash Simulation,” SAE Technical Paper 2020-01-1305, 2020, doi:10.4271/2020-01-1305.
SAE Technical Papers 2020-01-1305
ランダム配向繊維強化熱可塑性複合材料(RO-FRTP)は、繊維長さ約1インチのカーボン繊維束をシート状の樹脂にランダムに配向させた複合材料です。この材料は、損傷進展の顕著な変形モード依存性と異方性が特徴で、これらの特性のモデル化がシミュレーションの予測精度に大きく影響します。
本研究では、RO-FRTPの損傷進展を抽出する試験方法を考案し、特性の同定を行いました。
さらに、面内の変形依存性および異方性損傷進展を考慮した材料モデルを構築し、本材料モデルによりコンポーネント試験の再現解析において反力および変形モードの予測精度が向上することを確認しました。
本論文は、オンラインジャーナル「SAE International Journal of Advances and Current Practices in Mobility」に掲載予定です。
今回取り扱ったRO-FRTPシートのように面外異方性が強く、損傷挙動が複雑な材料から構成される部品の変形モードやエネルギー吸収性能の高精度な予測が期待できます。
2020年のWCX(World Congress Experience)は、新型コロナウイルス感染拡大のためWCX Digital Summitとしてオンライン開催されました。WCXの主催団体SAE Internationalは自動車をはじめとするさまざまなオートモーティブの標準規格の開発や業界の発展を支援する教育活動を行っています。
WCX Digital Summit