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LS-DYNAは、40年以上の歴史がある汎用非線形解析ソルバーです。
その間、衝突・衝撃解析はもちろん、熱・流体・電磁界解析など、さまざまな機能が追加されてきました。そのため、ユーザーのみなさまにお送りしている使用の手引きと日本語マニュアルは合計5,000ページを超える長大な資料となっています。
LS-DYNAによる解析結果
このように多機能なことは、DYNAの良さのひとつではありますが、LS-DYNAの初心者の方には、何を選んでよいか戸惑う原因にもなっています。
日々、LS-DYNAの技術サポートを通じてユーザーの皆様の疑問や質問、課題をお聞きするなかで、私たちは、初級者中級者にとっても、LS-DYNAをもっとわかりやすく、使いやすいツールにしたいと考えておりました。そこで、LS-DYNAの初級者中級者向けに、LS-DYNAの推奨設定をまとめました。
LS-DYNAの初級者中級者向けLS-DYNAの推奨設定
このたび、JSOLでは、LS-DYNAの初級者中級者向けに、LS-DYNAの推奨設定をまとめ、その設定を使ったアプリケーションノート(設定やモデルの解説、入力サンプルをセットにした例題)をLS-DYNAのユーザーサイトに公開しました。
この推奨設定は、JSOLに多数在籍するLS-DYNAのエンジニアがその豊富な経験から各自の見解を持ち寄り、ひとつの統一見解として作成しました。前述の通り、LS-DYNAには多種多様な機能が実装されていることから、「ケースバイケース」でエンジニアが自身の経験をもとに最適な設定を見出しています。そのため、万能な設定を決めることは、とても難しいものでした。
特に、推奨設定において優先すべき項目、つまり、
「解析精度」「計算スピード」「解析安定性(エラー終了にしにくさ)」「設定の簡単さ」
の優先順位については、エンジニアによって意見が分かれました。
そこで、以下のような使用状況を想定し、LS-DYNAの推奨設定としてまとめました。
LS-DYNAの初級者中級者が、ある条件の解析を始めるにあたり、
最初に解析実行するときの推奨条件
最終的にどのような設定になったかは、ユーザーサイトをご覧ください。
今回は、「基礎設定編」として、LS-DYNAの初級者中級者向けの推奨設定をご紹介しました。
LS-DYNAは、さらに高度な使い方として、自動車衝突解析に広く利用されています。自動車衝突解析の場合は、モデルがより大規模になるため、計算時間や計算の安定性に配慮が必要となります。
ただいま、計算高速化や計算安定化を考慮した「自動車衝突解析編」の推奨設定も、紹介の準備を進めております。
JSOLでは、今後も、使いやすいLS-DYNAを目指して、さまざまな技術資料やセミナーを、ユーザー様に提供いたします。
内容も、導入直後を想定したものから先進的なものまで、幅広く準備していく予定です。
ご期待ください。