
CAE Technical Library 注目機能紹介 - CAE技術情報ライブラリ
2009.09.01
LS-DYNAではゴムの圧入解析や鍛造解析など、3次元ソリッドが大きく変形し通常の手法では正常に計算することが困難な解析において、メッシュを切りなおし、応力・ひずみなどの物理量をリマップして再度良好なメッシュで計算を続行する、3Dアダプティブリメッシュという強力な機能があります。今回はこのアダプティブリメッシュにおいて、計算中のリメッシュの際、自動的にメッシュの粗密をつける機能、Local Refinement機能を紹介します。
従来ではフィレットRなどの詳細な形状を表現するためにメッシュを細かくしたい場合、指定したパーツ全体が同じようにリメッシュ(global refinement)されていたため要素数が増えたり解析時間がかかったりしましたが、このメッシュ粗密機能(local refinement)を使うことにより改善されます。
下記の2例からは、鍛造解析においてlocal refinementを使用した結果、形状がなだらかな部分のメッシュを自動的に粗くリメッシュすることにより不必要なメッシュの増加を抑え、計算時間が短縮できたことがわかります。
図1 メッシュ表現性を維持しながら解析時間を短縮
ADPENEの値によるメッシュ粗密の違い
*CONTROL_ADAPTIVEのADPENEの値で、リメッシュをコントロールすることができます。Rの違う工具で材料を押し潰す簡単な事例で検証を行いました。
ADPENEは、材料のR部、厚み方向の分割数を増やすためのパラメータであり、値を増やすと分割数が増加します。以下にADPENE の値だけを変更した比較を示します。
図2 ADPENEの値によるリメッシュの比較
形状表現能力の進化
LS-DYNAのリメッシュ機能は進化していきます。変形形状に応じた要素の再分割により追従性に優れ、高精度な解析が可能です。ギアのような小さなR形状も精度良く表現できます。また注目したい部分の要素が細かくなることにより、たとえば相当塑性ひずみの精度が上がるなど、解析結果の判断の精度も向上します。
図3 global refinement とlocal refinementの形状表現性、相当塑性ひずみ分布の比較
まとめ
最近実装されたlocal refinementに関する機能をご紹介しました。メッシュ粗密機能が実装されたことによって鍛造解析やゴムの圧入解析などで使用する3Dアダプティブリメッシュがより高精度になりました。
この機能は開発継続中であり、現在はMPP版でのみ利用可能です。また開発元が現在推奨しているコンタクトは、*CONTACT_AUTOMATIC_SURFACE_TO_SURFACE または*CONTACT_SURFACE_TO_SURFACEです。今後もLS-DYNAのリメッシュ機能は多用な加工問題への適用を目指して開発が続けられていくことでしょう。
ここで紹介した機能のより詳しい説明は、当社 オンライン・ユーザー・サポート のLS-DYNA入力ファイルサンプル集から取得できます。No163に、本文に使用した図2の例題と、設定すべきキーワードの説明があります。
資料のタイトルはこちらです「アダプティブリメッシュ時にメッシュの粗密をつける例題」
最後に、ここで紹介した機能は、MPP版LS-DYNA Version 971 R4.2.1 rev53450以降のバージョンにてご使用ください。