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MatchIDを用いた1180MPa級材引張試験のDICデータ取得

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近年、引張試験で材料の機械的特性を取得し、CAEで活用する場面が多くなりました。しかし、実際に製品を作ると予期しない不具合が生じることがあります。材料試験で得られた特性に試験片全体におけるひずみ、応力分布の変化が考慮されておらず、正確な材料特性データをCAEに反映できていないことが、このような予期しない不具合が発生する原因のひとつです。DIC技術を用いると、時系列で全視野的な変形の可視化が可能になり、CAEと比較することでさらにCAEの高精度化が期待できます。さらに、MatchIDは、応力を算出する機能や材料パラメータ同定をするモジュールも実装されており、新たな材料評価を可能にします(MatchIDについては、こちらの記事もご参照ください)。

本記事では、1180MPa級材の単軸引張試験を行い、MatchIDを用いてDICデータを取得、分析した事例をご紹介します。

株式会社 CEM研究所にて引張試験を実施

2022年10月に、広島大学名誉教授、株式会社CEM研究所代表取締役 吉田総仁様の監修のもとで1180Mpa級材の引張試験を実施し、MatchIDを用いてDICデータを取得しました。また、10月28日にJSOLが主催しました「生産技術セミナー広島2022」にて、試験で得られたDICデータの分析結果をご講演いただきました。

図1. MatchID実験風景 図1. MatchID実験風景※1
※1 新潟県工業技術総合研究所にて撮影した写真です。

MatchIDにおけるひずみ状態の可視化

1180MPa級材のJIS13B号試験片に対して単軸引張試験を行いました。試験で得られた荷重−ひずみ(試験片の中央部)グラフと、MatchIDで測定したひずみコンター図を図2に示します。MatchIDを用いて測定することで、試験片全体の一様伸びから拡散くびれが発生し、試験片中央部の局所くびれが生じるまでを全視野で確認することができます。

図2. DIC短軸引張データ1) 図2. DIC短軸引張データ1)

MatchIDにおける応力状態の可視化

MatchIDは、取得したひずみを応力に変換し可視化できることが大きな特長です。応力−ひずみ関係を表す式や降伏関数のパラメータを入力することで、実機のひずみ分布を応力分布に変換し、応力分布を可視化できます。

図3. ひずみ分布から応力分布への変換 図3. ひずみ分布から応力分布への変換

おわりに

DIC技術とその測定データは、材料試験をはじめとする、ものづくりのさまざまな工程において活用することで、製造工程や製品性能を改善できます。MatchIDを用いるには、ある程度のノウハウが必要ですが、注意すべきポイントを押さえることで、簡便に高精度なDICデータの取得が可能です。

材料試験や試作、製造工程、性能評価などにおいて、ひずみや応力を可視化するご要望があれば、JSOLが実験の計画から測定、可視化までサポートします。MatchIDやDICについてご興味をお持ちの方は、是非こちらからお問い合わせください。

参考文献
  • [1] 吉田総仁:JSOL 生産技術広島セミナー2022講演資料, 高精度板材成形シミュレーションのための材料モデルとDIC活用
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