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2011.11.01

LSTC駐在報告

カテゴリー
: その他
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LS-DYNA

Livermore Software Technology Corporation(以下LSTC)に駐在中の株式会社JSOL 清水徹より現地での様子をご紹介いたします。

駐在報告

ある日、見かけない髭面の人が、Tシャツにハーフパンツでヘルメットを被って社内を歩いていた。よく見たら、ベンソン教授だった[1]。

UCSDから打ち合わせで訪れた際には、社長のホルキスト博士とお昼休みにサイクリング(こちらではバイクライドと呼ぶ)へ出かけることがあるそうです。
リバモアの気候は、春から秋にかけてほとんど雨が降らず、乾燥しています。市街は平らで、自転車用の小道なども充実し、周囲は低い山に囲まれていて、散歩道も多数あります[2]。

ここの会社内でも、バイクライドやハイキングが人気です(図1、図2)。

図1. バイクライド風景

図1. バイクライド風景

図2. ハイキング風景(Mt. Diabro)

図2. ハイキング風景(Mt. Diabro)

豊富な解析機能を持つLS-DYNAの開発元LSTC社では、20前後のトレーニングセミナーが用意されています[3]。
私が赴任している間にも、平均すると月に1〜2回はここ本社で開催されていました(図3)。
JSOLも開発元の良いところをどんどん取り入れています。

これらセミナーも、年々拡張されるLS-DYNAの最新情報を得るよい機会です。
セミナーの参加者は、たいていソフトの使い始めにここで導入セミナーを受けています。その数年後にステップアップのアドバンストコース(上級コース)を受けたり、機能別コース、例えば流体連成解析、複合材料モデル、陰解法などのセミナーを受けたりと、何度もLSTC社を訪れる方も多いようです。

セミナー開催日には10名前後の参加者が訪れました(図4)。喫茶スペースはとてもにぎやかになり、朝食、昼食、休憩のドリンクやスナックが振舞われます。私は、その喫茶スペースに近い部屋で普段作業をしていたので、ドリンクやスナックだけ参加することもあり、セミナーのある日は少し楽しみでした。

図3. LSTC社 リバモア社屋

図3. LSTC社 リバモア社屋

図4. LSTC社 喫茶スペース

図4. LSTC社 喫茶スペース

私もいくつかのセミナーに参加しました。2010年12月に最適化ソフトウエアLS-OPTのトレーニングセミナーに参加しました。講師はLS-OPTの開発者であるN. Stander氏とW. Roux氏です。

LS-DYNAの応用範囲は自動車や航空機など製造関係から、軍事や医療などのさまざまな設計分野に渡ります(図5、図6)。最適設計は多くの設計者から注目されています。このセミナーでは、LS-OPTを導入するために必要な理論背景を学び、ユーザーインターフェース(プリポストプロセッサー)の操作方法を体験することができます。

図5. 自動車ボデーのMDOプロセス例 [4] 図5. 自動車ボデーのMDOプロセス例 [4]

図6. 高張力鋼の応力-ひずみ曲線 材料モデルパラメータ同定例 [4] 図6. 高張力鋼の応力-ひずみ曲線 材料モデルパラメータ同定例 [4]

ところで、この会社には、当然のことながらLS-DYNAの解析機能に応じて開発担者がいます。その開発担当者たちもこのLS-OPTで課題を解決することがあります[4][5][6][7]。

私が参加したそのセミナーには、熱解析機能の開発者であるA. Shapiroさんが参加していました。熱解析に用いる工学モデルが詳細化、複雑化しているため、解析パラメータを推測するのに有用のようです。

  • 繰り返し変形試験の結果から材料モデル(MAT_125)の各パラメータを推測[4](図6)
  • 電磁力を利用した金属リング動的変形試験から材料モデル(MAT_016)の各パラメータを推測[5](図7)
  • 高温環境下での成形試験で、材料の放熱時刻歴結果から熱伝達モデルの各パラメータを推測[6](図8)、材料の冷却試験の冷却速度と試験後のビッカース硬さから材料モデル(MAT_244)の各パラメータを推測[6]、材料間の熱の伝達時刻歴と材料間の押し込み圧の試験結果から、熱伝達モデルの各パラメータを推測[6]
  • 金属材料の3形態の材料破断試験の結果から材料モデル(MAT_ADD_EROSION)の各パラメータを推測[7]

図7. 円筒試験片の電磁成形試験での材料特性S-Sカーブ推定 [5] 図7. 円筒試験片の電磁成形試験での材料特性S-Sカーブ推定 [5]

図8. 高温環境下での成形 熱伝達係数の推定 [6] 図8. 高温環境下での成形 熱伝達係数の推定 [6]

参考資料
  • [1] 橘英三郎「DYNAとの出会い」橘サイバー研究室(コラム)
  • [2] ベイエリアハイカー ホームページ www.bahiker.com
  • [3] LSTC社ホームページ www.lstc.com/training
  • [4] N. Stander, "Recent Applications in MDO and Material Identification using LS LS-OPT", LS-DYNA Forum 2011, Stuttgart-Filderstadt, Germany October 13, 2011
  • [5] Ismael Henchi, Pierre L'eplattenier, Nielen Stander, Glenn Daehn, Yuan Zhang, Anupam Vivek, "Material Constitutive Parameter Identification using an Electromagnetic Ring Expansion Experiment Coupled with LS-DYNA and LS-OPT", 10th International LS-DYNA Users Conference.
  • [6] A. B. Shapiro, “How to Use LS-OPT for Parameter Estimation - hot stamping and quenching applications”, 8th European LS-DYNA Users Conference
  • [7] K. Witowski, M. Feucht, N. Stander, “An Effective Curve Matching Metric for Parameter Identification using Partial Mapping”, 8th European LS-DYNA Users Conference
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