LS-DYNAサポート自動応答システムβ版を公開しました

近年の産業界では、AI技術に関するニュースを見ない日はないほど、応用範囲が広がっています。JSOLも金融業界を中心に、AI技術を活用した自動応答サービスを提供しております。今回、これまでの実績を基に、CAE業界にも自動応答サービスを適用することに致しました。新たなシステムの構築およびユーザー様のご支援による予備実験などを経て、β版としてLS-DYNAサポート自動応答サービスを開始いたしました。

CAE業界の高いハードル

CAE業界のお問い合わせ内容は複雑で多岐にわたります。これまで運用実績のあるサービスであっても、CAE業界における自動応答をいざ運用しようとすると、現実にはさまざまな困難がありました。そして、自動応答の実用化には、AIエンジンの選択と教育の効率化がカギとなります。

今回β版として公開した自動応答システムには、JSOLが提供するAI検索エンジンJ-Insight^® を採用しました。J-Insight^®は、自然文による1回の質問で異なる種別のコンテンツを同時に検索し、複数の検索結果から素早く目的の情報にたどり着ける横断検索システムです。
従来のLS-DYNAユーザーサイトで用いた検索機能では、単語の分かち書きで完全一致する結果を提示するだけでした。

一方、本自動応答システムでは、用語や表記に揺らぎや曖昧な表現を含む質問文をAIによる自然言語解析により認識します。その上で、ユーザーサイト内のコンテンツ（Q&Aページ、技術資料PDF、入力サンプルなど）の内容全文を横断的に検索し、ご質問内容に適していると推測される候補を提示します。ユーザーサイト内の膨大な情報の中から、お客様が必要としているものに、より早く、より簡単にアクセスして頂くことができますので、お客様のトラブルや疑問を自己解決していただく一助になると考えております。

β版としてご提供するサポート自動応答システムは、現時点では「少し便利な検索」レベルの機能です。お客様のご期待に十分に添えないケースも多々あることと想定しています。今後さらにご質問文を正しく認識し、回答の提示精度を向上させてまいります。また、お客様のニーズに寄り添うコンテンツを拡充することで、お客様から「また問い合わせてみよう」と思って頂けるようなサポート窓口となることを目指します。

さらに使いやすく、さらに多くのお客様課題を解決できるシステムへと成長できるよう、積極的にご利用いただき、ご意見をお寄せください。

アクセスしやすいユーザーインターフェース

今回のβ版公開にあたり、お客様により簡単にサポート自動応答システムをご利用いただくために、ユーザーサイト内どのページからもアクセス可能な「AIに質問する」ポップアップウィンドウを設置いたしました。こちらのポップアップをクリックするとウィンドウが広がって、ご質問の入力、回答候補の提示と選択が可能となります。また、ご選択いただいた回答候補の詳細内容は、ブラウザの中央にモーダルウィンドウとして大きく表示され、詳しくお読みいただくことが可能です。

以下に、LS-DYNAサポート自動応答システムβ版のユーザーインターフェースと応答の流れを簡単な画像でご案内いたします。

目指す将来像：有人サポート＋サポート自動応答システムの両輪で広く大きくより深いサポートを目指します

自動応答システムは、いつでも利用できるユーザーサポートです。有人サポートサービスのオープン時間を気にせず、365日24時間お客様からのお問い合わせにお答えできる環境を目指します。

今後、自動応答システムで対応できる範囲が拡大し充実化した場合も、専任技術者による技術サポートは従来通り継続いたします。
JSOLでは、自動応答システムを「有人によるサポートを補完するサービス」として位置付けています。サポート自動応答システムではご質問受付時間の制約もなく迅速な回答をご提示しつつ、従来通りのメールや電話による専任技術者によるサポートでは、これまで以上にお客様ごとに固有の課題や技術的に高度なご要望に寄り添える対応を目指します。

お客様とともにサポート自動応答システムを、より「使える」サービスへと育てて参りたいと考えておりますので、ぜひとも積極的にご利用くださいますようお願いいたします。

自動応答サービス以外にも、JSOLはユーザーサービスの向上活動を継続して参ります。
今年度はオンライン開催いたしますJSOL CAEフォーラム 2020でもご紹介する予定ですが、自動応答サービス以外にもユーザーサイトの利便性向上やコンテンツ拡充、Web開催を含めた各種トレーニング、セミナーのお客様により役立つサービスを目指してさまざまな取り組みを推進いたします。

引き続きJSOLのCAEソリューションをよろしくお願いします。