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2018.9.13

BEM音響解析の可用性検証
- LS-DYNA Conference 2018 JSOL講演2 -

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: 技術情報
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LS-DYNA

15th LS-DYNA Conference でJSOLが発表した講演の内容を紹介します。

今回とりあげるのは、LS-DYNAによるBEM(Boundary Element Method/境界要素法)を用いた音響解析です。

BEM音響解析では、構造体の境界のみをモデル化し、その外部の点における音圧や音圧レベルを計算します。 構造体周りの空気層のメッシュを用意することなく解析を行えるため、音響問題においてBEMは効率的な手法です。

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内部音響試験によるLSDYNAの音響解析基礎検証

LS-DYNAによる音響解析の計算精度を検証するため、下の写真のように内部音響試験を行って、実験結果とLS-DYNAの計算結果を比較しました。

厚いアルミで作成したフレーム内部にスピーカーから音波を入力して、内部に形成された音場を測定しました。今回の実験では、2か所に取り付けたマイクで音を測定し、2点間の伝達関数を評価します。マイクの取り付け位置は、スピーカーとアルミフレームをつなぐシリンダー内部と、アルミフレーム内部です。

実験装置
実験装置

フレームの端部には吸音材を取り付けて、吸音材の材質による音場の変化を検証します。
吸音材はメラミンとポリエステルの2種類です。
LS-DYNAのBEM音響解析では、吸音材の効果を音響インピーダンス境界条件として考慮します。そのため、吸音材の音響インピーダンスの測定も合わせて実施しました。

フレーム端部に取り付けられた吸音材
フレーム端部に取り付けられた吸音材

下図は、解析モデルの概要図です。スピーカー部分には、境界速度v = 1m/sを定義し、吸音材部分には、音響インピーダンス境界条件を定義します。そのほかのフレーム部分は完全反射とし、v = 0 m/sを定義します。また、実機のマイクと同じ箇所に観測点を設定します。

解析モデル
解析モデル

下のグラフは実験から得られた伝達関数と、LS-DYNAによる解析結果の比較です。実験で得られた周波数ピークを、LS-DYNAの計算結果でも精度よく再現できています。
また、実験で吸音材に見られた500Hz以降の周波数特性変化も、LS-DYNAで周波数特性の差が再現されました。音響インピーダンス境界条件によって、吸音材を精度良くモデル化できていると言えます。

実験結果とLS-DYNAによる解析結果の比較
実験結果とLS-DYNAによる解析結果の比較


今回ご紹介した事例は、閉空間におけるBEM音響解析です。LS-DYNAではこのほかにも、FEM過渡解析、定常応答解析の結果を用いたBEM音響解析が可能です。

LS-DYNAの音響解析についてご質問がございましたら、こちら からお問い合わせください。

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